2番坂本は2番二岡っぽい気もする

解説の仁志敏久が「理想の2番打者」というトークテーマにおいて「左打ち、足速い、打率が高い」ということを述べたあと、「僕らの時代で言うと清水隆行が2番を打っていて、理想的だった」と。「率がいいのでチャンスを広げられる」「足があるからゴロを打ってもダブルプレーにならない」「2番が強い打球が打てると打線に波がなくなる(≒2番にバント専門の非力系を置くのは効率が悪い)」「僕の荒っぽさを全部埋めてくれてた」とか言ってて、オールド野球ファンにとっては懐かしくて最高でした。河原純一の名前も出てきたりとか、やっぱあの時代の野球は楽しかったなぁ。
清水は早打ちなんだよね。ものすごいフリースインガー。球数が稼げない点と、四球が選べないので出塁率自体は低い点が現代野球において懸念されるポイントになるだろうね。これは仁志も全く同じ。
現代野球に仁志清水がいたら6番7番あたりで自由にやらせる感じが理想なんだろうか。でもあれくらい打てる二人だから結局上位を打たせる形になるかもしれんな。
清水ファンである私throughthewireが語りますと、清水は地味にエースキラーであった。苦手にしていたエース級は山本昌ぐらいなもので、あとは軒並み打っていた。特に当時の巨人が苦手にしていた投手たち、川崎憲次郎石井一久黒田博樹などの巨人キラーと呼ばれていた投手たちとことごとく相性が良かったし、あの全盛期藤川球児を苦にしないどころかホームランも打っていた。佐々木主浩からのタイムリーも記憶にあるし、日本シリーズ松坂大輔からホームランもあったよな。デビュー間もない涌井秀章から満塁ホームランを打ったりもしたし、西口文也ノーヒットノーランを打ち砕く一発とかもあった。西武時代にはダルビッシュ有から度々打ってたりとエースクラスには滅法強いのが清水隆行というバッターであった。
その理屈は単純で、とにかくストレート打ちの鬼なのである。リストが強く、スイングスピードも優れているので、どんなストレートでも打てる。エースと呼ばれるピッチャーは当然ストレートに自信を持ってますから、直球勝負が多い。そうなると清水は打てる。
その特性を最大に生かすのであれば、1番に出塁率が高くて盗塁を狙えるタイプの選手を据えて、2番に清水を置く。1番が出塁すればそいつの盗塁を警戒してストレートの割合が増えてくる。そこを清水が仕留める。一二塁間は広くなってるので、得意の引っ張りで破って一三塁の形が作れますよ。もし清水に対して変化球攻めするようであれば単純にスチールで広げていけばいい。そんで清水おなじみのセカンドゴロで一死三塁の形を作って犠牲フライで一点を取りに行けばいい。
ということでスピードフォルムの山田哲人(山田テク人)がいれば清水をベストで活かせるというわけだな。
昔ヤクルトが1番青木宣親で2番アダム・リグスという形を古田敦也監督が採用して、青木が盗塁王&リグスが39本塁打という成功を収めてたはず。あれに近い感じになるでしょう。


仁志も清水も性能としては結構ピーキーな選手で、どちらも隠せない欠点と、眩いばかりの持ち味があった。
しかしながらそのとんがり具合もまた華である。
やっぱり二人ともガッツがあったよ。ルーキーの時からガムシャラにプレーして巨人のスタメンに食らいついていって結果メイクドラマとか、今思うとカッコよすぎる。
ドラフト2位と3位がいきなりスタメン入りして新人王争い&リーグ優勝に貢献とか、若手厨冥利に尽きますわ。
持っている武器は少ないかもしれないけど、その武器を信じて熱く戦った名プレイヤーたち、仁志敏久清水隆行
ああいう強くて逞しい選手が最近いないんだよなぁ。