現地観戦記 -鹿島アントラーズ vs 横浜Fマリノス-

カシマサッカースタジアムに行ってきました。
恥ずかしながら初めてなんです。
日本一のサッカークラブは日本一のグルメスタジアム持ち。たくさんの屋台が並ぶ様は日本らしい祭り情緒がある。
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人気店は平然と50人100人とか列が出来てしまうような混雑っぷりなんですが、接客のおばちゃんたちの丁寧さが印象的。ちょっとぐらい苛ついてもおかしくないだろうに、手際よく笑顔で温かく対応していく姿は美しかったね。
チームやサポーターだけじゃない。スタジアム全体、そこにいる人たち全員が揺るぎない自信に溢れていて、ドシッとした風格があるんだなぁと。
ホント奇跡的だ。こんなド田舎の奥まった地に日本最強のサッカーチームがあって、日本最強のサッカー文化を築き上げているんだから。
スタジアム自体も理想的なスタンド傾斜で見やすかったし、美しいピッチと熱すぎるサポのみなさん。
完璧でした。
あとスタジアムで聴くJ's Themeは最高だよね。泣ける。春畑さんは神。織田哲郎さんに次ぐ神。
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今日の対戦相手は横浜Fマリノス。オリ10対決、というかオリ10生き残りラス2対決。
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結構な数のサポが来てまして、これまた迫力があった。
お互いに揺るぎない歴史と自信があって、正真正銘名門対決にふさわしい雰囲気となっていた。
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ここからはレビュー的に個々の選手について触れていこう。


大津祐樹
マリノスにいることは知っていたんですが、スタメンなんだね。よかったやん。久富ちゃんもニッコリやね。
遠目から見ても目立つスタイルの良さ。
鮮やかなテクニックとスケールの大きいプレーを実行できる心身の強さが持ち味で、若い頃はいろいろと無理できたんだろうけど、その間に引き出しや奥行きを増やすべきだった。結局はフィジカルゴリ押しプレイヤーでしかなかったんだと。そこから突き破れなかったと。
いっそのこと点取り屋としてがむしゃらに生きればよかった気もするけど、がむしゃらな大津祐樹なんて足の速い小林誠司みたいなもん、髪の毛フサフサな中居正広みたいなもんで、ありえませんよね。
昨日も特に効果的な仕掛けはないまま、普通に途中交代してました。

扇原貴宏
そうか、そういえばマリノスだよな。めぐりめぐって安住の地となってるんでしょうか。
彼のプレーを見るのは真面目にロンドン五輪以来になりますが、まぁほぼ予想通りに成長はゼロでしたね。
左足しか使えないし、展開力もない。運べないし、突けない。
あんなので司令塔気取りとか笑えんわ。
たくさんボールを呼び込みながら全体を前進させつつ一撃の楔を叩き込むのがあるべき姿だと、そんなこと言うまでもなさすぎるんですが。
最終ラインに吸収されながらボールを受け、そのまま真横にいる最寄りの味方にパス。これだけ。これ以外に何もやってない。
香川真司もそうだけど、責任を負うとか覚悟を決めるとか、そういうのは一切ないんだよな。勝負にいかないし、逃げる。
山口螢杉本健勇も含めてセレッソ産のA型選手は全く頼りにならん。
まぁぶっちゃけるとA型のスポーツ選手なんてほぼほぼ頼りになりませんが。
せめて長めのフィードとかミドルレンジの強烈なショットとか、そういうものがあればまだマシなんだろうけど、ないよ。まったくない。
もしかしたら僕の見てない間にディフェンスが上手くなってるかもしれない、って考えたが昨日も軽率に退場してたし、多分ないと思う。
上背はあるんで、最初からディフェンダーとして育てるべきだったのかもしれないが、足も遅いし話にならんわな。
やはりクルピの目は正しかった。レヴィは最初から扇原も山口螢も評価してなかった。アイツらが
五輪予選代表に選ばれた時にはめっちゃ驚いてたらしいからね。一体彼らの何を評価したんだと。
ちなみにロンドン五輪大迫勇也柴崎岳を外して、杉本健勇扇原貴宏を選んでいる関塚隆。クソすぎんだろ。メガネかけてるからって必ずしも知的な人間っていうわけじゃないんだと、日本人はこれからも胸に刻んで生きていくべき。

三好康児
数ヶ月前に頑張ってたあの人は噂通りのベンチメンバーでした。ありえんだろ。
まぁ確かにスーパーサブとしての運用はありかもしれん。実際昨日は後半途中相手の疲労が蓄積されてる状態での投入で、ハーフスペースにタイミングよく顔を出して何度もボールを引き出し、そこからスピーディーでスキルフルな仕掛けを披露していた。もし扇原が退場してなかったら逆転の芽は充分にあったはず。それくらい脅威になっていた。なっていたんだけど。
そんなコイツをベンチに座らせられるほどマリノスは選手層が充実してるわけでもなかろうに。ようわからん。

アゴマルチンス
全然知らなかったが、背が高くて落ち着いてるように見えた。パッと見いい選手。実際は不明。

渡辺皓太
マリノスのベンチメンバーの発表を何気なく見ていた時に「ん?渡辺皓太?渡辺皓太って、あのヴェルディの?」とビックリしていたら本当にそうだった。マジかよ。
もうすっかりドナドナ軍団になってしまって久しい古豪ですが、またしても流出は避けられなかったのね。せつねぇなぁオイ。
顔の井上潮音、技の渡辺皓太っていうのが近年のヴェルディの生え抜き2枚看板だったわけですが、技を失っちゃあ昇格とか夢のまた夢となってしまう...
しかも出荷先がマリノスって... オールドファンはブチギレだろうな。
まぁでもオールドファンは渡辺皓太みたいな技巧派小兵とか好きじゃないかもしれん。もっと戦えるヤツをって。
日産がテクニック重視の華麗なサッカー、読売が気迫を前面に押し出した果敢なサッカー、っていうのが勝手なイメージ。
とりあえず両者の健闘を祈ります。



マリノスは以上。あとはアントラーズについて。



ブエノ
足速いセンターバックっていいよな。上手く使いたいけどどうすりゃいい。っていうか枠の問題さえクリアできれば普通に町田浩樹より序列が上なんだな。もったいねぇ。

小泉慶
頑張りはわかるが、やっぱりサイドバックとしては走力に物足りなさがある。展開力も凡で、まぁ今日は右にセルジーニョが来てたんで守備一本で丁度よかったのかもしれないが、サイドバック起点の攻めがメインになる近年の鹿島においては正直きびしいんじゃないかなぁと思ってます。まぁたった1試合で決めつけるのは早計にも程がありますが。
使うなら当然ボランチボランチとしての才はある。あるはず。

小池裕太
アントラーズの左サイドバックは歴史的に右利きが多いんですけど、小池は珍しくレフティーです。
そこらへんが今までにない左でのスムースさに繋がっているような気がしていいんですけど、今日はいくつか守備の不安を露呈する内容となってしまった。
あの守備ならメッチャ攻撃で貢献しないと釣り合わんでしょうね。それこそ昔のアウグストみたいに。あれくらい推進力と得点力があったら誰も文句言えん。
まぁまだ若いので成長にも期待できる。待ちましょう。

三竿健斗
誰も言わんけど現日本最強潰し屋でしょ。運動量、スピード、サイズ、スライディング。
展開力には期待してないので、ミドルを磨いてほしい。
昨日は相当気持ちを爆発させてましたが、あんまり気負いすぎんなよ。思い詰めたり抱え込みすぎたりしないように。

名古新太郎
とりあえず凡。東野じゃないけどさ、いいところ探して言おうと思ってたけど、いいところはなかったよ。
まぁ昨日のメンバーはちょっと苦しかったっていうのはある。サイドバックサイドハーフもオフェンス能力に欠けていた。
とは言えフォワードに楔を入れたり裏突いたり、ディフェンスで身体を張ったりとか、そういうのはあってもよかった。
これだったら久保田和音の方が好みです個人的に。彼はレンタルバックできる感じなのだろうか。
っていうか平戸太貴... なぜ...

白崎凌兵
いい選手なのは間違いないし実際頑張ってたけど、実は使われる側の選手であって、上手く活かしてくれる司令塔がいない現状ではただのバランサーに近い感じで終わっている。活かしさえすれば目に見える結果が普通に出まくると思うので。

土居聖真
もっと、もっと絡んで欲しい。まぁ暑いし疲れてると思うけど、もっとボールを要求してほしいし、もっと関与してほしい。もっと責任感を出して欲しい。
調子も悪くなさそうだし、プレイスタイルも完成しつつあるので、あとはもっと数字にここだわってほしい。勝ち点も得点もアシストもすべて。

上田綺世
上位対決の重い試合で、その上いくつか不可解な判定で大いに苦しめられる形となったが、全て救ってくれた上田綺世のJリーグ初ゴール。それでいい。フォワードはそういう存在だ。
ポジショニングに天性のものはあるし、得点を取り慣れている厚みも感じさせる。点取り屋として申し分ない。
慣れれば普通にエースになれる。時間の問題で正直全く心配してなかったし、最高の瞬間に立ち会えて幸せです。
最終盤で見せた魂の鹿島り2連発には思わず涙が出そうになったよ。まだデビュー3試合目だというのに鹿島りの基礎は完璧にできてました。頼もしいぜ。
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鹿島アントラーズ総評
ディフェンスから入って相手を嵌めるという戦術はほぼほぼ完璧に遂行できて良かったんですが、その一方で攻撃には難がありすぎました。
近年の鹿島は西大伍内田篤人遠藤康あたりのゲームメイクに頼りがちだったので、やっぱり彼らがいないとなると攻撃に流れが生まれない。特に右サイドバック永木亮太にしろ小泉慶にしろ、あるいは山本脩斗にしろ、ゲームメイク能力どころか単純にポジション適正外なのが苦しい。伊東幸敏が帰って来れば攻撃に奥行きをもたらせそうだが...
今年どういう結果になるかわかりませんが、とりあえずは来年必ず中盤と右サイドバックに試合作れる選手を補強してほしい。無理なら篤人にシーズンをフル出場してもらうしかないな。気合い入れろよ。
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