サウンドトラックからP5Sを褒め称えよう!!!の巻 pt.1

ネタバレもあると思うので要注意。




先日このブログ内で予想した通り、P5Sのメインコンポーザーは喜多條敦志氏が務めている。
ただ意外なことに手がけたのは全45曲中の16曲、つまり36%のみ。
そして意外なことにそれ以外の楽曲は、共同開発となっているコーエーテクモゲームスサウンド班である面々が携わっている。
クレジットだけを聞くと大丈夫かよと思うかもしれませんが、全然大丈夫です。大丈夫どころか、最高です。
僕は先にゲームをプレイしてその後にクレジットを見たわけですが、びっくりしましたからね。あーそうなんだと。思ったよりもコーエーテクモ組が頑張ってたんだなと。そう思わせるぐらい、違和感がないどころか世界観を完璧に理解した見事な楽曲が連なっています。
個人的にはP5Rを優に超えて、P3やP4、PQ2あたりと肩を並べるような、それくらいの素晴らしいサウンドトラックとなった気がしてます。本当に素晴らしい。
ということで、ここからは大胆にもサントラをほぼ全曲レビューして行こうと思います。前述した通り45曲なのでいくつかパートに分割してお届けします。FF7R方式ですね。




1. You Are Stronger (A. Kitajoh)
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今作の主題歌。ドラマチックに疾走していくアシッドジャズの逸品。
僕はなぜか喜多條さんってボーカル付きの曲って作れるんだっけ?って無駄に心配してたんですが、よくよく考えると"Now I Know" (P4U)とか"Road Less Taken" (PQ2)とか普通にあったわけで、何一つ心配する要素などなかった。"Pull The Trigger" (PQ2)とか"Cinematic Tale" (PQ2)とかも良かったしね。
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この歌のスタイリッシュさが主人公のスタイリッシュさであり、怪盗団のスタイリッシュさである。誇らしさを強くしてくれるような、そういう格好良さがある。P5Sを象徴し、引っ張ってくれた名曲。最高。



2. Strikers (G. Masuoka)
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OPムービー後のタイトル画面で流れるBGMになります。
スリープ機能が充実した現行ゲーム機種において、下手したらほとんど耳にしてもらえない可能性もあるこの曲。
っていうか早く遊びたいに決まってるプレイヤーの皆さんは普通にゲーム開始タイトル画面なんてボタン連打でカッ飛ばすんでしょうね。
しかし勿体無い!!! この曲は素晴らしいんです本当に。こんな心地よくてファンキーなインストが無視されてるなんて勿体なさすぎる!!!
過去にも"Brand New Days -はじまり-" (P3F)とか"記憶の片隅" (P4)、"Phantom" (P5)とか"Royal Days" (P5R)とか、あとは"僕らは今ここにいる" (PQ)とか"Theater" (PQ2)とか、印象的なタイトル画面曲はいっぱいありましたが、この曲も負けず劣らずの名作。
P5Sのフットワークの軽さとかワクワク感、旅のイケイケ感を閉じ込めた、素敵なファンク・インストゥルメンタル
クレジットを見るとびっくり。増岡郷太さんっていうのはコーエーテクモの人ですよね。こんなペルソナっぽい曲を作ってくれてるなんて、最高やん。
もし余裕があったら一度タイトル画面で立ち止まって、この曲の素晴らしさを全身で浴びてください。ぜひぜひ。



3. 陽動 (G. Masuoka)
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ゲーム開始後に始まるプロローグでの曲になります。期待に胸を膨らませるプレイヤーたちのテンションをさらに掻き立ててくれるような強烈なロックとなっています。
ちょっと名探偵コナン的なメロディーもありますが、これだけテンションを爆上げさせてくれるんだから、何ひとつ文句などありやしません。はい。
いきなりこんな素晴らしいBGMで幕を開けるんだから本編に対する期待値は鰻登りっていうわけよ。
そこからその期待にきっちり応えてくれるわけだから、本当にこのゲームは素晴らしい。
そしてこの曲も担当したのは増岡さんです。天才か。



4. Daredevil (G. Masuoka)
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先のプロローグに続いてイベント戦闘が始まるんだけど、それを受けて流れるこの曲がまたガッチリ心を掴んでくれる。
バカみたいに単純に上げていくのではなく、熱い心にクールネスも兼ね備えて戦っていく感じがジョーカーたち怪盗団にぴったりな、クッソ名曲。すげーよ、なんだこのサントラは。なんだこのゲームは。名曲しかないやんけ。
もちろんベースとなるのはP5本編の怪盗名曲"Life Will Change"で、ここから得たインスピレーションを元に構築されたような印象がありますね。それをコーエーテクモ班の増岡さんがやっているってことで、いかにペルソナ5というゲームを理解し咀嚼し自分のモノにした上でコンポーズしてくれてるかって話。本当にありがたい限り。素晴らしい仕事ぶり。
この曲はライブで破茶滅茶に盛り上がるでしょうね。ペルライに完璧にフィットする名曲となるでしょう。
しかしさっき言った通り増岡さん作なんですけど、コーエーテクモ作の曲をペルライで披露することは許されるんかな。どうなんでしょう。



5. Home (A. Kitajoh)
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P5本編と同じく時間を巻き戻して主人公&モルガナが懐かしの四軒茶屋に帰ってきて、そして懐かしのルブランに帰ってきて、みんなと再会を果たすときのBGM。
まぁ懐かしと言ってもゲーム内では4ヶ月ぶりくらいでしかないんですが、P5発売が2016年でP5S発売が2020年だから4年ぶりか。とか言うけどどうせみんなP5Rを2019年の10月末からプレイしてるはずで、計算するとちょうど4ヶ月ぶりぐらいの再会になるはず。P5RはP5Sの再会感を演出するために存在していた...?
目黒さんが「洗練」ならば、喜多條さんは「人情」って感じかな。
この"Home"という曲がとても人間臭い素敵な曲で、再会の喜びと切なさ、そしてちょっとした照れみたいなのをごちゃ混ぜにしたような、そういうエモーションで構成されていて、すごくほっこりする。
僕の好きな"迷宮文化祭" (PQ)とか"Coffee Break" (PQ2)とか、この手のBGMを作らせたら喜多條さんマジで強い。
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6. ジェイル転落 (G. Masuoka)
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いわゆる普通のBGMなんで特に書くこともないんですが、こういうテイストなのはコーエーテクモっぽい気もする。



7. AIと心 (A. Kitajoh)
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めっちゃネタバレを書くと、人間の心というものを理解するために作られた人工知能 (AI)が新キャラのソフィアになります。主人公達との出会いのシーンでこの曲が流れてたはずですが、出会いからこんな重めの曲が流れたりするんで、ああこの子もまた苦しい過去があったりしたんだろうなぁって推察できちゃう。



8. What you wish for (A. Kitajoh)
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本命曲キタァーーー!!! これが通常戦闘曲。
PVで初めて聴いた時からすごくお気に入りだった曲で、イントロからのイケイケっぷりと疾走感がたまらなく心地良くて最高。
サビのいいところでダウンが決まって総攻撃が展開されたりするともうエクスタシーマックスな爽快感が突き抜けますよ。ほんと好き。
ちょっと"Pull The Trigger" に似てるかな。ぶっちゃけるとあっちの方が好き (小声)。ハム子のテーマだし。



9. Welcome To The Jail (A. Kitajoh)
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イントロの煽りが真3の"ボス戦闘"にちょっと似てるけど、みんな知らんだろうな。
喜多條さんのWelcome To〜シリーズにハズレなし!!!
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↑カモシティという胸糞都市ではありますが、音楽は最高。



10. 愛シ te Wonderland (A. Hira)
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柊アリスというキャラがきゃりーぱ●ゅぱ●ゅを意識したような感じなので、ダンジョンBGMもそこへ寄せている。ただどこか闇深くダークな装いと、一層のエキセントリックさを交えたこのプロダクションもなかなかにレベルが高い。コーエーテクモの比良彩那さん作ということで、相変わらずいいですよね仕事ぶり。
柊ってなんだっけって考えて、そういえばP4の生田目太郎の奥さんの名前が柊みすずでした。確か演歌歌手だったっけか。しかし生田目の不倫がバレて離婚したりしてるらしいけど、本編ではまっっったく目立たないです。なぜ苗字被りさせたんだよアトラス。
あと鏑木京ってキャラも出てきて、鏑木って菅原りこさんの舞台での役の苗字やんけ。鏑木ちよみ。
果たして僕は無事に千秋楽を観ることができるのだろうか。祈るしかない。



11. Blooming Villain -Scramble- (arranged by G. Masuoka)
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冒頭の煽りから最高で、この曲はこのリミックスが合う。なぜなら原曲が元々ロック寄りだったからね。アレンジとして無理のない方向に伸びている。
このあと出てくるLast Surpriseのロックリミックスがダメなのは、原曲がスムースなジャズ寄りだったから。それを無理にロックへ組み替えると、途端に安っぽくなる。
日本人はロックが好きで、ゲーマーもロック好きが多いので、こういうリミックスは手軽で楽なのかもしれないが、発案の段階でミスのないようにしよう。この曲はオーケー。
ちなみに原曲はご存知アトラス音楽班の大将、目黒将司によるモノなんですが、今作P5Sにおいて目黒さんの新録曲はゼロになります。
新録曲ゼロならPQ2もそうだったし、実際今回もクオリティとか何ひとつ文句のない出来上がりになってるんでいいんですけど、ちょっぴり目黒さんが心配になったりもする。
まぁ目黒さんに必要なのは充電だろうから、いいっしょ。やがて訪れるP6に万全の状態で臨んでもらうべく、じっくり身体と脳を休ませてください。
また次を楽しみにしてます。



12. Vacation (A. Kitajoh)
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ひょんなことから世直しの旅に出ることとなった怪盗団のみんなであるが、世直しという雰囲気とかプレッシャーはそんなになく、わりと浮かれた感じのエンジョイ勢みたいなスタンスなんだよね。
そこに乗っかるこの曲はイージーでいい感じ。ちょっとP4G感あると思う。P4G的なリラックスムードもあるけど、途中不穏な音もあったりするあたり、いつまで経っても平穏な日々は得られない主人公たちって感じがして、ある意味納得。



13. Mori no Miyako (G. Masuoka)
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これが名曲。素晴らしすぎる名曲。
旅路の途中で立ち寄ることになった仙台のBGMがこれ。P5には東京のBGMとして"Tokyo Daylight"という美しい名曲がありましたが、それに比肩するような美曲。またもや増岡さん仕事ということで、ガチの天才モード入ってるやん。
何が素晴らしいって、Tokyo Daylightを理解してるんだよね増岡さんは。その上でそれの仙台バージョンを作ってる。理解力と構成力と応用力。本当に素晴らしい。
僕は学会出張で一度仙台を訪れたことがあります。洗練された街並みと、ごくごくナチュラルに調和した緑がとても印象的で、とにかく綺麗だなぁって心を奪われた記憶があるんですけど。
そのイメージから1ミリもずれていない、完璧な楽曲。最高です。
ちなみにTokyo Daylightはこれです↓
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あーーーーーー疲れたわぁーーーーー今日はこれで終わりね。
全45曲の13曲やりました。3分の1を下回ってますが、実は後半にピアノインストバージョンとかあったりするんで、この感じなら3パートでサントラを語り尽くせそうです。
続きは明日ね。おやすみ。