Jaden

ハリウッド俳優のWill Smithには子供が3人いて、今回取り上げるのが息子のJaden Smith。



まぁ2世タレントなのは間違いなく、そこはどうしても難しさがある。スタートからフラットには見てもらえない。
僕がジェイデンを知ったのはJustin Bieberの"Never Say Never"で、まぁ当時はごくごく平凡な少年ラッパーでしかなかったよ。
f:id:throughthewire:20200908065420j:plain
妹のラッパーWillowと共に、特に興味を惹く存在ではなかった。


2020年。
Never Say Neverは2010年リリースなので10年の時が流れている。声変わりもするし、背もデカくなる。
Jadenがニューアルバム『CTV3』を発売するということを知り、舐め腐った僕は「こりゃ豪華なゲストと一流プロデューサーが一堂に会したパーティーコンピレーションアルバムだな」って推測し、トラックリストを見てから摘み食いすればいいなと考えた。
Wikipediaのページすらない『CTV3』。
いざトラックリストを眺めてみると、ゲストは2組しかおらず、有名どころは一人しかいない。ありゃ。
ただそのゲストがジャスティン・ビーバーだから、これは聴く価値があると判断した。
DJ Khaledの"I'm The One"のパクリみたいなサマーチューンになっていればいいなぁなんて呑気に考えていた。
www.youtube.com
このサビほんと素晴らしいよね。これのバッタモンぐらいになってたらいいなぁぐらいに思ってた。
舐めすぎだよね。でも嘘じゃない。期待値なんてこんなもん。本当に舐めていた。
そして。
Jaden featuring Justin Bieber "Falling For You"を聴く。
...マジかよ。
びっくりした。
めっちゃいい。めちゃめちゃいい。これ好き。こういうの超好き。死ぬほどいい。
ごめんなさいジェイデン。本当にごめんなさい。完全に舐めてました。ごめんなさい。
www.youtube.com



猛反省した僕は、それからすぐ彼のディスコグラフィを全て確認した。
ファーストアルバムは2017年。ラップが7割で歌も3割ぐらいある。当時からその気はあったんだ。ラッパーとしては凡庸の域は出ないけど、そのボーカルは不思議と憂いが滲んでいて、興味深い。
www.youtube.com
ミックステープ『The Sunset Tapes: A Cool Tape Story』の"Yeah Yeah"はスムースなハウス。非常に心地よい。
この曲はDrakeの"Take Care"と"Passionfruit"を合体させたような感じ。後者は堀込高樹も感銘を受けた曲として知られてます。
まぁ目標は当然Drakeだよな。ああなれたらいい。
www.youtube.com
セカンドでは本格的な歌モノも出てきたけど、Kid Cudi的サイケ寄りのロックで、悪くはない。ただ数は少ない。
www.youtube.com
やっぱり夢はラッパーなんだよな。男たるもの、ゴリゴリの本格派ラッパーになりたいと誰しもが思う。
www.youtube.com
ドラゴンボールってホントすげーよな。



大事なのは何を出すかではなく、何を出せるか。その人のオリジンからオリジナルは生まれるのだから。
最新作『CTV3』にもラップはあるけど、メインではない。
インディーロックみたいな、アンビエント風な、ソフトロックっぽい面白い曲が並んでいて、なかなかに楽しめる。
先の"Falling For You"と並んで白眉なのは"Cabin Fever"。Drakeが元ネタとして採用したこともあるPeter Bjorn And Johnの"Let's Call It Off"オマージュな、オマージュっていうかモロにそれっぽいフレーズもありつつのスムースダンサー。
www.youtube.com



Cabin Feverっていうのはweblioによると「僻地や狭い空間で生活するときに生じる情緒不安定」ってことらしい。
自粛疲れとか意味不明だよ。
暇なら音楽聴け。
Jaden聴け。