2022年に良いと思った曲 10コ (改訂版)

毎年やってるヤツを先日やったんですが。
throughthewire.hatenablog.com
その後実家に帰って音楽番組を見まくった結果、それなりに収穫がありました。
前に作った9曲のチャートがあまりにも見窄らしく貧相だったので、もう一回やり直し。






#10 "雨燦々" King Gnu
www.youtube.com
相変わらず涙腺を直撃するような曲を作ってくれるこの人たちには感謝しかありません。井口理のボーカルの美しさに震え、泣く。特別すぎる。
この曲をみんな卒業式で歌ってほしいけど、難しすぎて悲惨なことになりそう。





#9 「最近怒りを感じた事はなんですか?」by Analogfish


穏やかなアコースティックバラード。1番の歌詞は齊藤京子が、2番の歌詞はヒコロヒーが担当なんですが、意外と1番の歌詞は出来がいい一方で、2番の歌詞はとっ散らかっててイマイチでした。意外とこんなところに歌手としての能力が出てるかもしれない。まぁ上記の動画は1番だけで終わるので無問題なんですが。
テレビをほぼ全く見なくなった僕が珍しく欠かさず毎週見ている番組が2つあって、『あちこちオードリー』と『キョコロヒー』。
キョコロヒーとは、ヒコロヒーと齊藤京子がわちゃわちゃ近況報告してるのを天才演出・舟橋政宏さんが天才的にほんわかニコニコ番組に仕立て上げるという謎番組。
やさぐれて影を負った芸風のヒコロヒーが世間受けも可能なマイルドな振る舞いに少しずつシフトできたのは確実にこの番組の経験あってこそよ。
前にノブコブ吉村崇が、芸人が番組MCの座を掴むために必須な流れとして「アイドルグループ番組のMCを経験する」みたいなことを言っていた。これは見逃せない意見で、有吉弘行(『有吉AKB共和国』)バナナマン(『乃木坂工事中』)バカリズム(『アイドリング!!!』)ハライチ(『欅って、書けない?』)オードリー(『日向坂で会いましょう』)あたりが代表的なところだが、それ以外にも例えば川島明は『リトルトーキョーライブ』という番組でHey! Say! JUMPジャニーズWESTを相手にMCをしているし、博多大吉先生は『トーキョーライブ24時〜ニチヨルまったり生放送中〜』という番組で小山慶一郎松岡昌宏相葉雅紀堂本剛安田章大を相手にMCをしている。それで言ったら吉村だって『嵐にしやがれ』で素晴らしいMCワークをやってたんだけどね。
ヒコロヒーも『キョコロヒー』収録を重ねるごとに「えらいもんで、子どもと喋るのウマなってる。天才テレビくんの仕事見えてる。キョコロヒーからEテレへ」とか言ってたよね。
いやぁゴッドタンで見てた時は「この人面白いしかっこいいけど、こんな女芸人さんどうやって業界やっていくんだろう」って思ってたけど、変われるもんなんだね。升野さんと同じ変化だと思う。
youtu.be
今この文章を書くにあたって久しぶりに昔のキョコロヒーを見返してますが、やっぱり昔は二人とも芋っぽかったよね。今は二人ともめちゃくちゃ綺麗になったし少なからず自信もついてすごい堂々としてる。
東京カレンダーとかヒアルロン酸とか郵便局のCMとか幅広く大活躍中のヒコロヒー。グループでついにシングルのセンターの座を掴み取った齊藤京子
末長く頑張ってね。
www.youtube.com





#8 "ミックスナッツ" by Official髭男dism
www.youtube.com
素晴らしくスウィンギンでファンキーなイントロからワクワクいっぱい。メロディもピアノもご機嫌で絶好調だけど、相変わらず歌詞世界はところどころ幼稚な印象を受ける。説明しすぎずもうちょいナチュラルに紡げないものなのか。
とはいえ素晴らしい楽曲。彼らの優れた演奏力を感じた。





#7 "grace" by 藤井風
www.youtube.com
日本が誇る天才ソウルシンガーによる鮮やかな祝福。PVまで含めて完成された芸術。





#6 "SOUVENIR" by BUMP OF CHICKEN
www.youtube.com
バンドのアッパー具合と藤原基央のカリスマに頼りがちなところも長らくあった。もちろん基央のボーカルは心をグッと鷲掴みにする唯一無二のスペシャルなものだけど、作風はいたって単調で代わり映えのないディスコグラフィに終始してたような気がする。
僕も特別ファンなわけではなくあくまで印象を書いてるだけなんだけど、本来のポテンシャルでいえばもっともっと大きな存在になれたはずのバンプが、ミスチルスピッツあたりの国民的バンドと同列に語られることなく、下手したら安っぽい青春バンド程度に認識されているだけの現状は、正直もったいない。
そんな停滞感を力強く打ち破ってくれるこの名曲。昔馴染みのグルーヴも備えつつ、甘く魅力的なBメロの美しさとか、意外だけどフレッシュで心地よく響くファルセットとか、総合力の高さを見せつけてくれる。こんな素敵な曲を、あの基央の声で歌ってくれるんだから、カッコ良すぎてたまらない。めちゃめちゃかっこいい。
やっぱりもっと評価されるべきだし、もっと頑張らないと。
でもビックリしたのが、こんな素晴らしい曲もファンの間では賛否両論なんだと。マジかよ。
バンプだけが悪いわけじゃないのかもしれない。いつまでも成長しないファンこそが一番の害悪だったということなのか。
新しいことをやろうとしたら反発するとか信じられん。なぜ一緒に成長しない。それでもファンなのか。
バンドの挑戦に対して、そりゃ好き嫌いはあってもいいけど、否定するな。受け入れて感想を言え。





#5 "Everybody Watching" by Snoop Dogg, Raphael Saadiq & Miguel
www.youtube.com
夏に出した謎レーベルコンピから一曲、ドリーミングなスイートソウル。終盤少しマンネリだけど、極上の空間。
Miguelは僕の好きなシンガーの一人。確固たる美意識とファンク魂を兼ね備えたスペシャルなタレント。最近新譜出してないから待ち遠しいんだけど、なんか可能性なさそうで辛い。





#4 "まつり" by 藤井風
www.youtube.com
やはり天才。リズムの掌握が天才的すぎる。
セカンドアルバムではポピュラリズムとの向き合い方もバッチリ調整できてたし、いよいよ無双モードに入れそう。
時代を代表するアーティストとして、思いっきり突き進んでくれよ。





#3 "A Nightingale Sang In Berkeley Square" by Michael Buble
www.youtube.com
定番のジャズスウィングをお馴染みのマイケル・ブーブレが歌ってくれる。目新しいところなどゼロだし、想像の範囲内ではあるんですが、文句などあるはずもないし、完璧よ。いいんだよこれで。これでいい。
もはやこれだけでいいのかもしれない。
もうこの世の全ての曲をマイケル・ブーブレに歌ってもらえばいい。全部こんな感じでいい。
最高に心地良いし、幸せだ。素直にサンキューと言える。ありがとう。





#2 "Upon You" by Bialystocks
www.youtube.com
全く知らないバンドの初めて聴く曲ですが、とんでもない化け物曲。幸せと喜びいっぱいの3分34秒。
スウィートでドリーミーなボーカルと、洗練と温かみを兼ね備えた演奏隊。
こんな素敵な曲をこの世に産んでくれたこの人たちには感謝しかないし、相応しいだけの感謝の言葉が浮かびません。
ろくな歌手もソングライターもいないこのつまらない世界で、こんな美しい曲をリリースしてくれたという事実が、どれだけ偉大なことなのかっていう。
ホントありがとう。誇張なしで死ぬまで聴ける曲だし、自分の葬式にこの曲流してほしいわ。最高。





#1 "Out Of Time" by The Weeknd
www.youtube.com
はい、1位は文句なしにこれ。これしかない。
コンスタントに大きめのヒットを連発したことでいよいよビッグな存在へと成長できたThe Weeknd、昨年にはスーパーボウルのハーフタイムショーを任さたりと、シーンを代表するアーティストになれたんじゃないの。
年始に出た最新作はだいぶダンスフロア寄りのトラックが並ぶ中、儚くセンシティブで美しいシンセの調べの上で微妙に女々しい口説きリリックを繰り広げる名曲。とにかく美しいのよ。
しかし、そのエッセンスはまさかまさかのメイドインジャパン
クレジットを見てビックリする。コンポーザーの名前一覧の中にTomoko Aran、Tetsuro Odaの名前が並んでいる。
ん?アラン・トモコ?そういうハーフっぽい日系の人なんかなと思うよね。そうではなくて、亜蘭知子さん。ビーイング系の人。
ん?てつろう・おだ?えええっっっ?それって、我らが織田哲郎御大やないかい!!!!!!!!!!
サンプリング元があるわけよ。亜蘭知子の"Midnight Pretenders"。作詞:亜蘭知子、作曲:織田哲郎
いわゆるモロ使いと呼ばれるやつです。
www.youtube.com
イントロの切り上げ方とか、コーラスワークの丁寧さとかは職人芸だし、オケから主メロの指先の先まで織田さんのメロウネスが細部まで宿っていて心地良いね。
ちょっとサビのリズム感がカッコ悪いけど、これは歌詞に問題があるんだろうと思う。あと終盤のエレピのソロは蛇足な気もしなくもない。まぁ些細なもんで。
2022年でも最前線で輝けるスーパーな曲。やっぱ織田さんやべぇよ。何なんだよこの人。怪物じゃん。鬼じゃん。なんでこんなにすごいの。すごすぎでしょ。日本の音楽史の一番の天才じゃん。3位筒美京平、2位小林武史、1位織田哲郎じゃん。
長生きしてね織田さん。
www.youtube.com
どう思ってるんだろうなサンプリング文化について。上の動画のご本人コメントを見る限り、ちょっと歯切れは良くない気もしたけど、それは勘繰りすぎかな。どうだろう。
こんな名曲が1983年に出ていたなんて。こんな名曲が世間にほとんど知られることなく今日まで眠っていたなんて。
この曲をOneohtrix Point Neverというアメリカのプロデューサーが採用したらしい。はえ〜。
だったらこの曲のPVにこんなしょうもない糞女を使わずに、日本人美女を使ってくれよ。佐々木希とか比嘉愛未とかって思ったけど、ちょっと可愛い系だとこの曲の趣に合わないのか。いや行けるだろ。ダメなら二階堂ふみとかでいいから、日本人使ってくれよなぁウィーケンド君まったく。
サンプリングはただの再利用じゃダメで、やっぱり愛とリスペクトを胸に抱いてほしいのよ。根っからそのサンプリング元が好きで、その魂を現代に受け継がせてもらいますと、僕も私もあなたのような歌手になりたくて、あなたと同じ気持ち心境になりたくて、近づきたくて、っていう気概が欲しいよね。
もしそういうのがあったら、こんな糞女をPVに出すような雑なことはしなかったはずなんよ。日本人女性をPVに使うはず。こういうところにバレてしまうんよ。
わかるんだよこっちからしたらね。誠実さって、何気ないところに現れるものだから。
結局、ビジネスなだけなんでしょ。学ぼうとする気持ちはないわけだ。敬う気持ちも。感謝の気持ちも。
いつか必ず痛い目に遭うからな、ビクビクしながら生きてろよアホが。



来年もいい年でありますように。