あっちもこっちもどこでもグルグル

gold experienceってきくと、まずはPrinceのことを思い出して、それからPrince好きの荒木比呂彦先生によるジョルノ・ジョバァーナを思い出す、というのが標準的な発想だと思いますが。
微妙にジョジョとも縁がある我が愛しのアイドリング!!!が『GOLD EXPERIENCE』というアルバムを発表しました。

前作『SISTERS』からおよそ3年ぶりということで、えらく間が空いてしまいました。シングルはコンスタントにリリースされてまして、数が増えすぎてしまったがためにニューアルバムに全部が入りきらない事態が生じております。アイドリングはカップリングを含めほぼすべての曲をアルバムに収めてくれる親切設計に定評があったんですが、今回ばかりはいろいろと漏れがあります。カップリングでありながら出来が著しく良かった"サラサラ★キューティコー"、"バッキューン!"、"Secret Xmas"、"夏色キッス☆"あたりの名曲群があっさりと未収録に終わっているので、みなさん忘れずにシングルも購入しましょう。

さて、ニューアルバムに言及する前に、アイドリング!!!の素晴らしさを書こうと思います。そう思ってるんですが、果たして上手く言葉に出来るんでしょうかね。ちょっと自信ありませんが。
どうですかね、世間における認知はほぼゼロ、もしかしたら辛うじて菊地亜美が所属しているらしいグループという認識が多少あるかなぁというところで、いや世間は菊地亜美を知っているにしても彼女が音楽グループに所属していることを知らない人が大半だと思います。
菊地亜美はたしかにうざいし不細工だが、もちろん彼女は自ら率先してヒールのような役割をバラエティ番組で演じているピエロでして、誰よりも空気を読み気を遣いすぎてしまうような、そして実は誰よりもアイドリング愛を強く持っているような、そういう人なんですけど...ちょっと今から一人ずつアイドリングのメンバーを解説していったらさすがにキリがないので、今日はグループ全体の話をしようと思ってます。

世間にはアイドル歌手がたくさんいて、みなさんいろいろ歌っていますが、その中でもアイドリングは群を抜いて歌がいいと僕は思っています。
まず単純にメロディがいいんですね。90年〜2000年代初頭を思わせるようなメロディアスな展開、たとえばMy Little LoverとかEvery Little Thingとかタンポポとか、スピッツとかケツメイシとか、あそこらへんの所謂"いい時代のJ-Pop"がアイドリングの曲にはたくさんあります。
トラックも多彩で楽しいですよね、オーセンティックなJ-Popはもちろんのこと、少しヒップホップ的な要素を混ぜ込んだり、R&Bの展開を用意してみたり、あるいは本格的にハウスに挑戦してみたり、あるいはオレンジレンジ的なダイナミズム溢れるトラックだったりと、彼女たちの楽曲は遊び心があり、それでいてレベルが非常に高いんです。
さらには歌唱力。いろいろな種類のボーカルが控えていて、それぞれが一流の歌唱を披露しています。
そして、何と言っても、アイドリングは声が綺麗。ソロパートもユニゾンも、非常に洗練されたアーバンな感触を残します。AKBのような貪欲なギラつき、ハロプロのような幼いロリータ感とは違って、いかにも都会のオシャレな女の子たちのような声でとっても爽やかで涼しげに歌いこなしていて、それがすごく心地よい。
アイドルグループというよりかは、もう普通にひとつのポップグループと言っちゃっていいと思います。現代の音楽界では得られ難い、あの日僕らが愛したような懐かしいJ-Popが、アイドリングにはたくさんあるのです。ぜひみなさんに聴いてほしいと強く願います。




では、ニューアルバムに触れていきましょう。
ひとつポイントとして、今現在メンバーは25人いるんですね。さすがに多すぎる気がしますが、まぁそれは置いておいて。
ニゾンの声質が、昔のアイドリングと少し変わってきています。そりゃそうなんですよ、新しい子が何人も入っているし、何人かは卒業してしまった。
再録されたかつての名曲たち"職業:アイドル"、"Iのスタンダード"あたりには流石に違和感をバリバリに感じましたね。まぁ、しょうがない。完成度の高かった曲なんだから、それをリメイクするのは難しい。難しいんだけど、アルバムの最初と最後に置かれていて、どうしても両方とも無駄に目立っちゃうからね、それがどうしてもこのアルバムの印象を良くなくさせてしまう。なかなかにそれが残念でなりません。
ただ、あとのクオリティはいつも通りに保障されています。相変わらず楽しくて素敵な曲をたくさん備えた、ナイスなアルバムとなっております。
一番の出来は"Bon Voyage"でしょうか。溌剌として爽やかなトラックと、可愛らしさの中にどこか切なさのあるアイドリングらしいメロディ、そして迷いなく澄み切った歌声。これまたアイドリングのディスコグラフィを飾るにふさわしい名曲であり、この1曲を聴くだけでアルバム買ってよかったなと思わせるような、そんな曲であります。この曲を歌っているのはU-17ingということで、若手メンバーですよ、まだレコーディング経験も浅いような子ばっかりなんですが、そういうメンバーでユニットを構成して歌わせてもこれだけのクオリティを出してくるんだから、アイドリングの地力と層の厚さを感じさせます。素晴らしいですね。
遊び心も健在。元々アイドリングの歌詞は唸らされるものが多くてですね、誰もが経験する思いを言葉にした名曲"機種変エクスタシィ"をはじめ、見事なストーリーテリングが成立している構成美が美しい名曲"サラサラ★キューティコー"、度肝抜かれる内容が強烈な"NA・GA・RA"などなど、歌詞の面でも本当に楽しませてくれますアイドリングなんですが、今作もその点において間違いはありません。まさかのカニあるあるが繰り広げられる"カニ子"、まさかのB型あるあるが繰り広げられる"戦闘恋愛少女ロボB型の憂鬱"といったところ。相変わらずの独特な観点からのリリックが満載です。
カバー曲も2曲あって、どちらも秀逸な出来上がり。TRFの"寒い夜だから..."のサウンドを聴くと、もちろんリアルタイムで聴いた懐かしさもありつつ、そのプロダクションはむしろ現代の音楽シーンでのトレンドであるハウス〜テクノ寄りのサウンドになっており、やっぱり小室哲哉って凄かったんだなぁという感想を持っちゃいました。メロディも素敵だし、この人の才能は絶対的なモノなんだとあらためて思わされましたね。
本音を言えば、もうちょいアルバム曲のレベルを上げてほしかった気もしますが、それでも総合的には満足度もけっこう高い、充実のアルバムとなっております。いやぁ、ほんと素晴らしいね。




ということで、音楽的には変わらず順風満帆なアイドリング!!!ではありますが、今後グループとしてどうなっていくのかは依然予断を許さない状況にあります。
仕方のないこととはいえ、ここ数年は多くの実力者、功労者が卒業しています。可憐な歌声と腹黒武闘派キャラでチームに欠かせない存在だったフォンチー、支配力のあるMCと溢れんばかりの優しさでチームを支え続けた谷澤恵里香、純粋無垢な天然っぷりと天使のようなルックスで輝きを放っていた森田涼花といった主力がいなくなり、まだその穴は完全に埋まっておりません。
そして、来たる2月14日、ついに我らがリーダー、遠藤舞が卒業ということになってしまいました...
完全無欠の美貌、絶対音感を遺憾なく発揮した圧倒的な歌唱力、そして唯一無二のハードコア変態キャラ。誰からも尊敬され、誰からも愛されたリーダーがいなくなってしまう。これは、とても苦しいことです。グループとしても。大好きだった人がいなくなるという個人的な想いとしても。苦しくて、つらいね。さびしすぎる。
舞さんにはホント、幸せになってほしい。ただただそう思います。
アイドリングに話を戻しますと。
引っ張りだこの菊地亜美にしてもいつ卒業してもおかしくない状況にあり、アイドリングは今年、大きな岐路に立たされてそうな気がします。

どうなるんですかね。
次のリーダーは指名しないとかいう話みたいですが。
一応、ちょっと暇なんで考えてみましょう。
んー、まぁ個人的には何となく大川藍がリーダーっぽいかなぁとか思います。先輩とも巧く絡めるし後輩の面倒見もいいし。最近やたらとケバいけど元々はルックスもそんなに悪くないし。ただ、どうしても関西の悪い側面が出ちゃうからね、あの人は。
あるいは橘ゆりか。この人はリーダーシップもあって気が利く人だし、歌もうまいしね。ただ、どうしても過小評価されてる感じがなぁ。勿体ない。
じゃあ、もう思い切って橋本楓ちゃんをリーダーに据えようか。あの天性のキラキラなオーラがあれば、きっと何とかしてくれるはず。もう大胆に世代交代しちゃおう。
っていうただの3期好き。アイドリング!!!の誇る黄金世代ですからね。




こんな感じです。ありがとうございました。これからもアイドリング!!!をよろしくお願いします。