A Hard Day's Night (ウソ)

おそらく人生で一番せわしない土曜日。
わざわざ大雨の東京にまで行くんだから、まぁすっかり毒されてるわけだな。
こんな幸せな毒なら喜んでガブ飲みするけどさ。



仕事している間は、嫌なことも楽しみなことも全部、これからの未来も忘れて考えることなくいられるから、助かることもあるよね。
精神的に参っている状況下でも、いったんニュートラルな気持ちへと持って行くことができるというか、その時の気持ちを横に置いておくことができるから。
ここ最近は苦しいこともあったしね、落ち着きそうでそうはいかなかったこともあって、僕にはどうすることもできず、当たり前が当たり前でなくなるくらいにシチュエーションは不安定なんですが。
家を出て職場に行き服を着替えれば、また心は空っぽになる。ネガティブが雁字搦めだったのから抜けて、クールネスを取り戻すきっかけとなる。そしてまた同じネガティブに対して違うアプローチであらためて向かい合うことができたりするんで。
なんとかやっていける。諦めたり甘んじたり妥協したりすることもなく、その先にある希望の可能性を意志して進もうと強く思えるよ。また絶え間無く訪れる日々を乗り越えて、微かでも確実に幸せを掴めるよう、己のベストを尽くして己を信じるっていう。
別に何か新しく始めるアティチュードというわけでもないんだよね。いつも口をついて出るような、それでいて失いかけては逃さぬよう握り返すような、いつも通りのやり方。
乗り越えなきゃいけない人生はひとつで、もうかれこれ30年近く毎日こりずに形を変えて襲いかかってきて、いまさら怯むことも怯えることもない。
今までだってボチボチこなしてきたんだし、今回だって同じだ。また多少は傷つき溜息をこぼすこともあるだろうけど、最後は自分で納得いくような結果になるはずだから。
まぁ、楽勝よ。どうにでもなるし、どうにだってしてみせる。
深く考えなくていい。オレ自身が確実にベストをつかみ取ってみせるから。



午後はライブだ。大好きなバンドの大好きなメンバーが卒業する。
そういや某グループの選挙だったっけ?あんま知らんけど被せやがって。ブサイク軍団のくせに。
ポジティブな卒業、ポジティブな別れって簡単に言ってもねぇ、そうやすやすと受け入れられない悲しみと喪失感があって、この想いなめんじゃねぇぞと。
いいことなんて何もないんだとか悪態つきたくなるほどに荒んでますが、もう今から数時間後には例のZeppDiverCityで真っ正面から受け止めるんだろう。
卒業の唯一のいいことは、邪のない純粋な感謝の気持ちと愛を乗せた言葉が聞けること。
極限に差し迫った状況になって、照れや恥じらいなどから解放されて、素直に産まれるメッセージたちの美しさ。
よくあるDDが一番好きなグループ内ラブラブの究極を、最後の最後だけど見ることができる。
これだけ。これくらいしかいいことないんだけど、こんなに美しいものは世の中めったにないからね。



今から10年ぐらい前にJay-Zが引退っぽいことをやったけど、その気持ちはよくわかるんだ。
いなくなって初めて分かる存在に、感謝して惜しむ人々の姿を見てみたいという、えらくナルい欲求。
本当に引退しなくちゃいけないタイミングで引退したら、そらそうよで惜しまれないし、周りに誰もおらず誰も見てない可能性もあるからね。
だから全盛期に近い状態で引退する。最後の作品は引退を飾るに相応しい華々しい大作を用意するし、最後のライブは歴史に残るようなクライマックスにする。
「このオレの生き様を尊敬できないんじゃあ、お前の価値観がどうかしてるってことなんだろう。それでもお前はオレを尊敬することになるだろう、オレが遠く闇に消えて行った後にな」
かっこいいけど、結局帰ってくるから台無し。




さて、後藤郁です。
何度転んでも歩き出してみるのっていう歌詞がちょうど今イアホンから聴こえたから、テキトーにこの言葉を今のところ贈っておこう。
本番はこれからだ。まだごっちゃんはアイドリング!!!メンバーだし、本当に伝えたい言葉は、伝えなきゃいけない時に産まれてくるはずだからね。

リハーサルと本番を残すのみ。頑張ってね。