まさかこんな日が来るとは

もう何年も前から諦めていたからね。
萩原を初めて見たのは彼が幕下にいた時で、あの時まだ17歳だったと思うんだけど、一捻りで相手を俵の上に転がしてみせたのを見て、こんなヤツもいるんだなぁと少しホッとしたような感情をあの時覚えたような気がする。
まだ魁皇がいて、栃東がいて、琴光喜がいた時代。朝青龍はニワカ人気があったけど、苦しい時代だった。苦しいというよりも苦かった。苦い場所ばかり。
ずっと見てきた。十両に上がって優勝するわけでもなく、でも着々と番付が上がっていき、なんか四股名が小っ恥ずかしい名前になり、初めての幕内での場所とかね、勝ち越しが懸かった一番で変化して負けたりしたのも見たし、千秋楽で勝ち越しを決めたのも見た。東前頭筆頭でなんとか8番勝って初めての三役を決めた瞬間も見たし、初めて朝青龍に勝った一番も見た。朝青龍のサッカー明けの場所で初日やられたのも見たし、琴欧洲安馬が先に進むのも見てきた。
舞の海さんもおっしゃっていたように、この年月にもきっと意味がある。
今日まさに新たな宿命ができたと思うから、また頑張ってくれ。
頑張り続けるしかない。
おめでとう。