いつかリメイク来いよと

タイミングとしては完全に謎ですが、今日ついに『真・女神転生III』のマニアクス版をクリアしました。
到達レベルが88でちょっと低いのか、隠しボスに何度もやられてしまいました。レベル上げしてもよかったんだけど、何回か接戦もあったし、どうせならこのレベルで撃破してやるっていう熱い思いで僕の体もヒートアップ。初代PS3PS2ソフトを動かしてるんですけど、いつものように爆音立たせながらヒートアップ。次第に部屋も暑くなってきて、しょうがないので僕も上半身裸に。そこで気づいたんだよね。そうか、格好ができてなかったんだなと。遅ればせながら気づいた僕はそのままズボンを膝あたりまで捲りあげて人修羅スタイル完成。その後の挑戦で即撃退に成功、無事にエンディングを迎えました。やっぱり格好から入らないとね。僕は大事なことを忘れていた。


ペルソナシリーズは全部やってますけど、メガテンはやったことなかった。
本来ならファミコン版のメガテンからやり始めるのが筋なんでしょうけど、あの一人称視点の移動がどうも苦手でね。女神異聞録はなんとかシナリオの良さで辛くも完走することができたんだけど、やっぱりあれは苦手。
ということで巷の評判も良くて、三人称視点、なおかつハード的に比較的プレイしやすいノクターンをチョイス。ノクターンのマニアクス 。
せっかくなので感想を。


このゲームは何と言ってもバトルよね。戦闘の面白さ。
P3以降にも搭載されているプレスターンバトルの原型にして、もう完成品といってもいいレベル。
攻撃権が大体4回ずつで入れ替わっていく感じは、アメフトだね。4回で殲滅させられなければ攻守交代。しかもこちらが下手を打ったらその段階でターンオーバー。相手に攻撃権が行くし、それは相手側も一緒。相手がやらかせば、こちらに攻撃権が回ってくる。
最後の最後までこのシステムのおかげで楽しめました。緊張感が半端ない。


育成も楽しかった。スキルの吟味に時間を費やしたり、仲魔の合体の工程を考えたりとか、楽しい戦闘をより楽しむために、自分&仲魔の育成へのモチベーションが最後の最後まで尽きませんでした。


その一方でシナリオはどうか。
ペルソナのテーマが自己の内面との向き合い方だとしたら、メガテンのテーマというのは自分の外向きの価値観というか、宗教とか神話とか世界に対する捉え方だと思うんですね。自分対自分と、自分対世界。
まぁ偉そうなこと言っておいてメガテンをプレイしたのは今回が初めてなんですが。
今回の真3も一応世界を創造し直す話で、その価値観的なところは問われているんでしょうけど。
ただ、内容はなかったね。何か人類の核心を突くようなことはなかった。
途中あらわれる派閥はどれひとつ寄り添えるものがなくて、かと言ってヒロイン風情の方のスタンスというか在り方も素直に受け入れられるものでもなかった。
そんな中でも主人公はあっち行ったりこっち行ったりさせられる。納得のいかないままパシらされて、しまいには「お前には何の得もないのによくやるよ」的な嘲笑を浴びせられる。これはあかん。
主人公の行動原理が全く無くて、ここら辺はよろしくなかったね。


戦闘が最高。育成も楽しい。お話は若干お粗末。
だからRPGとして近いのはポケモンとか、あるいはテリワンあたりかな。スキルのチューニングの感触はドラクエ7に似たものがあったね、ちょうどシナリオも共通点がある気もするし。



ちょっと色々ネタバレも交えて書いていきますね。
このゲームが出たのは2003年だね。
一応歴史を辿ると、商業的にこのゲームは失敗だったらしい。評判は悪くないのだが。
一方で派生作品のペルソナシリーズは2006年に3を発売。内容的には未だ賛否両論渦巻くものではあったが、商業的には成功を収め、のちの繁栄へと繋がって行く。
ネタバレを恐れず書いて行くと、真1の結末は天使や悪魔が入り乱れてのハルマゲドンというもので、真2に至っては最後ヤハウェを裁いて終わるという、もう究極にして極限のエンディングだったわけよ。ベースには当時のアメリカとソ連の対立、イデオロギー的な対立であったり、あるいは20世紀末の終末思想とか、そういったものを下敷きにしてシナリオが構成されていた。
だから、実は昔から世相を反映していたものだったわけよね。今思えば奇抜だし独特な世界観だったとはいえ、実は流行り物だった。
真・女神転生という名こそ冠しているが、メガテン3のシナリオは当時にしてちょっと時代遅れな感じだったのかもしれない。
P3もテーマはよくわからないのでアレだが、例えばP4の「己の最も弱くて惨めで情けない一面と向かい合う」であったりとか、P5の「大衆心理の動き方や動かし方」というテーマはとってもイマドキな手触りだ。P2も下地になっているのはノストラダムスだし。
つまりは、世相を反映しているという意味では後期ペルソナシリーズの方がよっぽど正統に後継しているのではないか、ということなんです。
こんなこと書くと女神転生原理主義の方々にブチギレられるだろうな。あんなギャルゲーのどこがメガテンなんだよって。
いや多分難しいと思うんだ。もう真2で極めてしまったんだから。時代や世間を無視して、またかつてのように神話や宗教の世界でシナリオを描いたとしてあれ以上の展開はないわけで。
厳しい言い方をすれば、出涸らしから辛くも構成したシナリオが真3。ルイ・サイファーさんの幼少時代ということは、真1の前の時代ですかね。もうこの時点で厳しくなっている。
それだったら、真・女神転生の神話・宗教要素は薄れつつも、世相を意識した作風の方が、よっぽど広がりがある上に、かえって旧来のメガテンらしさも残るのではないかと。世相との関わり方という点で、これも自分対世界になりうるから。


とまぁいろいろ書きましたが、ノクターンペルソナ5つしかプレイしていない僕が知ったような口で書くのも良くないですな。今度ヒマなときに真1と2をやらなきゃね。