No.18 『Goon Affiliated』Plies

Plies兄さんによる4th、1年半ぶりですね。
僕の中では、Pliesというと、KAT-TUN田中聖のイメージですね。田中聖というか、マイボスマイヒーローの中での田中聖
ファーストとセカンドは先行カットの勢いで波に乗せてましたが、サードではさしたるヒットもないまま、やや消化不良。今回は巻き返しなるか。


んー、なんつーか、微妙だね。
やっぱり僕はこういう中身が全くないヒップホップというのは、あんまり好きじゃない。聴くのに非常に疲れる。

まずはアルバムの半分くらいを占めるtrap曲から見ていきましょう。
ハードめに行きたいのはわかるが、あのガラガラ声での怒鳴り一本で3分4分も間を持たせるのは無理。しかもそれが立て続けに何曲も来るわけだから、もう大変。
何かヒネってあったり何か光った特徴があるtrapだったら別にいいんだけど、今作では基本Jeezy以降の馴染みあるビートに定番フローのマンネリメニューでした。飽き飽き。"Rob Myself"なんかはマッシブで悪くないけどモロJeezyの"Get Ya Mind Right"似だし、展開のある"Awesome"も悪かないが突き抜けない。

では一方、Pliesのアイデンティティを形成するもうひとつの側面、メロウサイドはどうか。
なんか目新しさがなかったな。"Kitty Kitty"や"Goonette"、"Medicine"あたりは悪くない出来だが、結局はよくあるPlies節。もちろん、悪くは無いんだけどね。
ただ、プラスアルファというか、成長みたいなのを欲しがってしまう。
個人的には"She Got It Made"が一番奇抜で耳を惹く佳曲だったと思う。毒のあるキャッチーさが面白かった。Pliesはこのレベルの楽曲を増やしていかないと。だってさすがに4枚目のアルバムだからね、伸びなければ。

今作にはトピックとして、初めて他のラッパーがゲスト参加、というのがありますが。"Look Like"なんですけど、どうせなら、あんまりまったりせず豪快にストレートラップを魅せてほしかったと思ったのは僕だけだろうか。もちろんそんなに悪い曲ではないが、これもなんか突き抜けない。ダラダラのんべんくらりなクオリティである。LosoもJeezyもがっつり行ってほしかった……


ということで、よく言えば安定感バッチリ、安心のクオリティなんだけど、悪く言えば爆発力のない、same old Plies。
冒険がなさすぎ。もっと大胆さを発揮してもいいのに。