No.17 『Battle Of The Sexes』Ludacris

コンスタントなペースで届けられたLudaの7thでございます。
前作はゲストの豪華さを売りにした作風で、平均点はクリアしたものの全体的に押しが弱く残念だったが、今回はどうか。
当初は♀ラッパーShawnnaさんとのコラボアルバムになる予定でしたが、彼女のDTP離脱(T-PainのNappy Boyへ移籍)に伴い、今作はLuda単独名義です。所々に彼女の声は残ってますが。
で、コンセプトもそのままキープ。タイトル通り、男と女、性の対決であります。

結論から言うと、微妙だったね。良曲が少なかった。

文句ナシは2つ。Jodeci的な情緒が包む中、Trey Songz君のしなやかなパフォーマンスが光る"Sex Room"。そして、前作の"Nasty Girl"を進化させてバランスをアップさせたような"Tell Me A Secret"。この2つだけかな。
あとは、呑気で幸せな感じが悪くないトラックにて、いかにもなFlo Ridaとの話芸が冴える"I Know You Got A Man"がまあまあ。残り十数曲は印象が残らなかったな。

今までのLudaを考えてみると、基本的に♂シンガーとのコンビネーションには定評がある。"Area Codes"や"Child Of The Night"(Nate Dogg)、"Freaky Thangs"(Jagged Edge)、"Saturday"や"Blueberry Yum Yum"(Sleepy Brown)、"Pimpin' All Over The World"や"End Of The Night"(Bobby V)、"Woozy"(R. Kelly)、"Hard Time"(Carl Thomas)等々いっぱいあるし、"Playa Cardz Right (Male)"(Keon Bryce)も良かったし、featuringワークスも入れたらその数は相当なモノになる。今作もコレに該当する楽曲の質は高かった。
一方、性の対決には重要な♀シンガーとの絡み曲、そのクオリティが微妙でした。
というか、キャリアの中でも案外少ないんだよね。パッと思い浮かぶのはMary J.との"Runaway Love"、Ciara"Oh"とか、あとはShareefa"Need A Boss"ぐらいかなぁ。絶対数が少ないね。声質が特殊だからだろうか。あんまり経験してないから、今回も伸びきらなかったのかもしれん。
あと、単純にラブソングが似合わないという事実。Ludaみたいなお笑い系があまりマジな愛を説くのもキツいモノがあるということか。

コンセプトとしては興味深かったが、似合わなかったし、キャッチーじゃなかった。残念。


ちなみに"Sexting"は凄かった。ケータイのメールで使う省略語を巧みに織り交ぜたリリックが素晴らしい。まあ、そんなにアルバムのコンセプトに沿うモノでもないんですが、扱いはボートラなのでオーケー。

最近のLudaのフロウがワンパターンに陥っている気がするのはわたくしだけなのか。
1小節の5分の4ぐらいを倍速乗せで駆け抜けて韻の部分だけをゆっくりにするラップパターンばっかりだよね。
手抜き?

4thの頃の作風なら今でも通用するし手軽だと思うけどな。