年間アルバムチャート 2011

わたくしにとって大事なタイミングでの年末なんで完全休止を宣言してもよかったんですが、愛聴活動は止まずに続いていたんで、手抜きランキングをどうぞ。


No.1『Finally Famous』 Big Sean

楽しい。聴いてて幸せになれるキャッチーな1枚。No ID最高。Seanもすごく感じが良かったよ。フック作りが最高に上手いんだよね。


No.2『Doggumentary』 Snoop Dogg

充実してました。取留めのない並びをなんとなく形にしてみせるSnoopの懐の深さ。相変わらず何をやっても似合う人。せこい。


No.3『Ambition』 Wale

やはりファーストの方向性は間違ってたわけだ。正しく完璧にバックアップしたRick Rossに感謝。さすがWaleも力強くお見事。やればできる。「Lをパスするよ、セミコロンみたいに」とか超カッコいいやん。わかっちゃいたが、そこらの若手とは腕が違いすぎる。でもあんまり予算は関係なかったような…


No.4『Gutter Rainbow』 Talib Kweli

再びマジメすぎる路線に帰ってきましたが、ビートセレクションは完璧でしたね。Skiは間違いない。


No.5『Watch The Throne』 Jay-Z & Kanye West

当初あんまり納得のいかない一枚っていう印象もあったが、余裕のスルメ盤。Jayの底力を引き出しながら、演出や構成によって自身のラップも上手く並び立たせたYeが凄すぎる。緻密に練り込まれた総合的なプロダクションに感動するが、アルバム的にはちょっぴり物足りなさも。まぁ、ムチャ企画のわりには良くやったけど。


No.6『Hell: The Sequel』 Bad Meets Evil

若干フローのバリエーションが少なかったかな、倍速乗せばっかりで。ただ、二人とも凄まじくリリカルでテクニカル。コンビとしても良かったよ。


No.7『The Dreamer/The Believer』 Common

キャリア的に1周して再びNo IDとのコンビ。シングルを固めた曲順に疑問符つけたいけど、隙のない力作ばかりで嬉しかったね。ちょっと渋すぎるかもしれないが、あらためて地に足をつけるみたいなところだろうか。


No.8『Take Care』 Drake

前作とはガラッと変えて原点回帰。心地よく病みつきになるアトモスフェリックなヒップホップ。でも正直言うと地味すぎる。もうちょい上を目指して欲しい。うーん、So Far GoneはIllmaticやReasonable Doubtになっちゃったかもな。


No.9『Goblin』 Tyler, The Creator

キモいプロダクションだらけで嫌気がさすけど、ラップは普通に上手い。リリックのアイデアも素晴らしいし、基礎能力の高さは魅力的。これからどうなっていくんかね。


No.10『Blue Slide Park』 Mac Miller

強く主張しないけど、終始とっても爽やかで気持ち良かった。ニュースクールというかオールドスクールというか。面白いよね。


No.11『Cole World: The Sideline Story』 J.Cole

自作のトラックスに彩りが足りなかった。あっさりすぎた。ラッパーとしては既にほぼ完成されてるんで、プロダクション面での成長に期待。もうちょっとソウルフルにやってほしいかな。今作も悪くはなかったけど、ミックステープ3つと比べると、どうしても凝り固まった感じがあるから。次に期待。


No.12『The Greatest Story Never Told』 Saigon

お待ちかねの一発。意外とリリカルな姿勢を見せるんだね。本人のパフォーマンスは良かったけど、Just Blazeの芸はそんなに幅広くないわけで。まぁ悪くもないけど、好盤止まり。


No.13『Lasers』 Lupe Fiasco

いざこざの末のリリース。懸念されていた要素もLupeが最大限の頑張りでモノにしていたけど、こういうアルバムを望むファンなんて一人もおらん。ファースト、セカンドにあった、頭のキレる感じが全く無いからね。まぁ、この経験を通してLupeが成長してくれたらいい。実際Lupeのラッパーとしての力量は全く落ちてないし、やっぱりこの人のデリバリーには惹かれる。これからの展開に注目。


No.14『Tha Carter IV』 Lil Wayne

つまらん曲が多すぎた。あと、ゲスト陣のパフォーマンスが良すぎたね。主役の存在感がない。プロダクションも全体的に古い感じで、実際は噂にあった通り一昨年ぐらいに完成してたのかなぁと。


No.15『Radioactive』 Yelawolf

なかなか完成された世界観があるのね。偉いです。あんまり好かん作風だけど。タイトルもアレだし。Marshallと電話するスキットの緊張感漂う異様なリアリティは笑えましたが。


No.16『Fear Of God II: Let Us Pray』 Pusha T

同名のミックステープの新装盤みたいなところ。新録曲はインディー風情の地味トラックスばっかりでイマイチ。もっと華やかでカラフルな曲を用意してくれたら。まぁ、でもこれはただの練習。GOOD Musicからのソロファーストに超期待。


No.17『Game Tested, Streets Approved』 Black Rob

さすがにあの頃の華は失われてしまった。しかしBRならではの男気溢れるタフなフローは健在。相変わらずカッコいいぜ、憧れるよ。


No.18『The R.E.D. Album』 Game

依然、道が見えない。持ち味がわからない。打開策はあるんでしょうか。「好きなラッパー10人挙げろよ、あっ、いや、めんどくさいから5人な」とか「オレが西のベストだ!あっ、いや、別にSnoopをディスってるわけじゃないからな」とか言っちゃうチンピラ感は好き。


No.19『Success Is Certain』Royce Da 5'9"

前作は良かったんだけど、今回はイマイチだったな。何も飛び抜けなかった。Slaughterhouse用にとっておいてあるのか。


No.20『Rolling Papers』 Wiz Khalifa

トラックもフックも弱い。いつも笑顔なのは感じがいいけど。


No.21『Capo』 Jim Jones

何も残らない。まぁ、オマエはDiplomatsリユニオンに向けて頑張れ。


No.22『Shaolin Vs Wu-Tang』 Raekwon

あんな大したことないアルバムが微妙に持て囃されて調子こくからだろ、まったく。ショボすぎる。なんだ、この浮わついた感じは。馬鹿すぎる。


No.23『Master Of Ceremonies』 Styles P

人選は間違ってなさそうだったのに、なんかダメだったね。Pharrellのロックなプロダクションは興味深かったな。何か新展開があるかも。


No.24『Blood, Sweat & Tears』 Ace Hood

確かに流行りを追うしかないんだけど、それにしたって酷かった。Lex Lugerとか使うなよアホ。あんなのバッタもんやないか。あと変に作風を広げるくらいなら、全編アッパーにしなさい。そっちの方が喜ばれるんだからマジで。


No.25『TM103: Hustlaz Ambition』 Young Jeezy

正直びっくり。失望を通り越して、驚愕。なぜ、こんなショボいトラックを選ぶのか、まったく意味がわからない。プロデューサーの人選が意味不明すぎる。Don CannonやShawty Reddを外してまで使うべき人なんているのかよ。わけわからん。っていうか、Trap Or Die 2の感じで良かったやん。なぜアレを続けようとしない。今の時代、The Real Is Backの1とか2の作風は古すぎるんだよ。オマエが今のシーンを生き残るには、TOD2のやり方を突き詰めていくべきなのに…アホすぎる。でも、なんかもう彼の賞味期限が来ちゃったのかな。喉の手術の影響もあるかもしれないが、キャリア前半にあった鬼気迫る勢い、圧倒的な凄みが完全に失われたからね。もう、Jeezyには何もないのか…いや、だからもう1回しっかりとDon Cannonと組んで一枚まるごと作れよ。そしたらまだ行けるって。頑張れよ。