Justin Timberlake "Tunnel Vision"

個人的には20/20のパート1の中で一番好きな曲です。
"Tunnel Vision"というタイトルもかっこいいし、なんといってもあの緊張感ね。細かく刻まれるビートの応酬に立ち尽くしながら、スリリングなメロディと軽やかな歌唱に酔いしれる感じ。
僕が初めて好きになった洋楽はJustinの"Like I Love You"なんですけど、あの頃から何も変わらない。じゃんじゃじゃじゃんというギターフレーズから始まる独特の緊張感が、あれから11年経った今、また形を変えて召喚されています。
全部が全部そういう曲ばかりではないけれども、"Like I Love You"とか"My Love"とか"4 Minutes"とか、肝にあるのは緊張感。すごく集中していて研ぎ澄まされているし、無駄もなく隙もなく。それが最高にかっこいいんです。
"Tunnel Vision"の緊張感も格別。有無も言わさぬ焦燥に駆られながら、ドラマティックに駆け抜けていくダイナミックな構成と展開が本当に気持ちいい。

ただひとつ気になったのが、緊張感はいいにしても、プロダクションがもうモロにTimbo節なんですね。
90年代後半を席巻した例のチキチキビートがきっちりと敷き詰められているのですが、そこには正直クリエイティブな挑戦であったり、エポックメイキングな発想とかそういうのは感じられなかった気がします。
かっこいいのは間違いない。たしかにかっこいいし、様になっている。しかし、わりと甘えた曲なのかなぁとも思います。
いわゆるTimboの遺産に甘えたような、そんな感じ。
もちろんここであえてチキチキで行くという裏をかいた感もわかります。それもそれでいいんだけど。
ただどうしても、突き抜けるクオリティではないという事実が残ります。
この曲を聴いて、いくら天才といえども、7年というブランクは想像を絶するダメージを創造の面でのこしたのかなぁなんて思ったり。
まぁ、考えすぎかな。
そのあとの20/20のパート2の内容が充実してて、いやぁホントよかったよ。