スピッツ "エンドロールには早すぎる"

スピッツは世界屈指のモンスターバンドであり、草野正宗は怪物である。これは間違いない。
1991年の”ヒバリのこころ”に始まり、20数年間もの長いキャリアの中で、幾度も色彩を美しく変えつつ、その真ん中にある太い一本の幹は揺らぐことなく、毎年のように大きく鮮やかな花を咲かせて、僕らの日常をさりげなくも力強く彩ってくれています。
少し尖っていてどこか切ないバンドプレイ、ダイレクトに胸に訴えかける心地よいメロディ、そしてあのマサムネさんの青く透き通った声。
ディスコグラフィを眺めればもうホント名盤だらけでクラクラします。iPodスピッツのアルバム何か聴こうと見てみたら、選択肢がありすぎて通勤通学が楽しくなります。
未だに"ロビンソン"しか知らない人も、未だに"チェリー"からアップデートされてない人も、未だに"スターゲイザー"推しのうんこ野郎も、とりあえずスピッツを聴いてみてほしい。
時を超えて、いつまでも最高であり続ける。まさに文字通りエバーグリーン。

そんなスピッツであるからして、流行りとかトレンドとかからは一線を画したバンドであるというのは事実でしょう。
唯一無二の存在であるがゆえ、ベストを尽くすだけで現行のシーンとは無関係になる感じ。己の持ち味を存分に出すだけで、自分たちの確立したタイムレスでユニークなポップスが産まれる感じ。

ところが件の”エンドロールには早すぎる”はいかがでしょう。これは正真正銘、今年2013年の欧米を賑わせた「流行りの」ディスコサウンドではありませんか。
Daft Punk & Pharrellの"Get Lucky"以降、リバイバル的に盛り上がったこのトレンドをあえてスピッツが演じたことは、なかなか興味深いですね。
そして音楽的にも素晴らしい出来上がり。変にギラついたり黒くなったりせず、違和感なく爽やかにものにしています。
タイトルからもわかるように、パーティー真っ盛りの絶好調というわけではなく、その盛り上がりが終わりを迎えそうなタイミングを意識させるあたりも、「ならでは」な感じが出ているんじゃないでしょうか。
ディスコには青めのボーカルが映えますよね。マサムネさんにはホント隙がありません。マサムネさん自体、人間的にはやたら隙があるというか、そういうところを素で見せたがるというか、率先して萌えキャラみたいな位置へと自らを持って行きたがる人ですが。

こういう流行りものみたいな曲でも完璧にまとめ上げる。相変わらず、この人たちはモンスターだ。凄すぎる。
ライブも最高に楽しかったです。末永く活躍してください。





↓いい動画がないし、オレにテクニックもないし...
http://www.youtube.com/watch?v=q50SY35DQQA&t=29m36s



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