#12 "Beautiful" Young Jeezy featuring The Game & Rick Ross

要因はいくつかあるんですが、かつてはトラップポップなるものでブイブイ言わせていたYoung JeezyあらためJeezyさんもすっかりイメチェンを展開。前作TM103でも巧みに披露していたソウルフルな音楽性を軸に、アルバムをまとめてきました。
件のBeautifulは、じっくりと鳴らされるベースと荘厳なコーラスワークがシンフォニックな響きで印象を残す、強烈な一撃となっています。
感じとしては、ゲストに呼ばれたRick RossのMaybach Musicシリーズを思わせるようなプロダクション。ほぼ同期のデフジャム仲間であり、リリカルコンテンツもほぼ同等、ともに一時代を築いた中堅ラッパーでありながら、ライフスタイル的にはかけ離れていて、どうやら不仲だったみたいですけど。
さすがに歳をとり、行き着く先はこういったソウルフル路線になるっていうのは、まぁ無理のないところよね。元々いくつかこなしていたとはいえ、メインではなかったし。
逆に、この手のソウル感で頂点を掴んだRick Rossのほうが近作ではむしろトラップ寄りへと重心をシフトしているような気がして、ここらへんの音楽的な動きは興味深いところであります。
マスとコアのバランス。ヒップホップに限った話でもないんですが、どれだけ成功をおさめても、簡単にはいかないんだなと、あらためて思いますね。


さて、このBeautifulという曲で個人的に一番よかったと思うのはThe Gameなんですよね。
あれです、Renegade的な。
特にフックでGameが見せる巧みな演技は、やっぱりEmっぽいよね。
こういう時こそ、物まね芸人のアドバンテージが出るんか。
物まねっていうか、そもそも上手いんだよね。淡々とラップするんじゃなくて、気持ちを込めて、色を付けてラップするっていう。
ハードボイルドっていえば聞こえはいいけど、あのビッチやべぇなっていう歌だからね、なにクール気取ってんのっていう話ですよ。
女を前にして、女馴れしてる風を装っているんか。嘘つけや、おめーらデブがよ。
別に全員が全員あんな感じでラップしろとは言いません。RakimとかKRS-Oneが女を前にテンション上がったっていうラップを見せたら、たぶん超悲しくなる。
でもJeezyやRick Rossは頑張りな。それくらいはできていいはず。


納得いかんことも多々ありますが、トータルで見れば余裕でいいラッパーだよなThe Gameは。
これからもコンスタントに良ラップを連発して行ってほしいね。