ゴルフマン

Tyler, The Creatorの新譜『Cherry Bomb』が届きました。意外とリリースペースは守られていて、根の真面目さが垣間見えます。
前作のスムースな作風からまた少しシフトして、目の前にあるのは混沌。GoblinやBastard時代、あるいはEarl君の新作あたりのダウナーで内に籠るようなカオスではなく、明るいけどもっと大きくて手に負えないスケールのカオス。そんなキャンバスに殴り書きされた絵の中に確かに存在する、清廉でひたむきな真心があまりにも美しくて。ぐじゃぐじゃに並べられたトラックリストを貫くその美しい心が、何とも言えないまとまりを産んでいて、ひとつの形を成している。
Kendrick Lamarの『To Pimp A Butterfly』には『2001』と『The Love Below』の影響を感じたんですけど、今回のTylerの『Cherry Bomb』には『Lord Willin'』と『Yeezus』を連想しました。
よくわからんけど、とにかく知的好奇心をくすぐる傑作アルバム。ぜひ聴いてほしいね。