"Last Christmas" Gwen Stefani

言うまでもなくあの大有名曲のカバーでございます。
自分で歌ってみたらわかるんですが、この曲ってすごくシンプルで飾り付けがなくて、何の気なしに歌ったら凄くつまらなくなってしまう。良い曲にするためには何かしらのエッセンスが必要で、例のホモの歌唱のおかげなのか、あるいは素敵なAメロとか間奏のおかげなのかわかりませんが、いずれにしろジョージの巧みさと素晴らしさが染み渡るわけですね。
カバーするからには本当に力量が問われますが。


No Doubtは正しくロックで、正しくパンクな、そんな類稀なバンドでした。
そのボーカルのGwenはやはり気高くて強いボーカリスト。正しくカリスマで、正しくアイコンだった。

まぁそうは言うてもだんだんと歳をとり、そりゃ人間も丸くなって行く。
流行ったし好きな曲だけど"Underneath It All"あたりはもう穏やかだよね。その後のソロであらためて尖ろうと頑張って、"Rich Girl"とか"Hollaback Girl"とかをもう一度頑張れるグウェンの懐の深さは偉大ですが、結局は"The Sweet Escape"のような感じに進むあたり、落ち着いてしまうのはしょうがない。結婚もして子供もいる。そりゃそうだ。




今回そんなグウェンが発表したクリスマスアルバムがなかなかの代物でして。
非常に王道を意識されていて秀逸なんですが、ポイントとなるのがそのアレンジで、ほぼ全編にわたり感じられるThe Beach Boys感。コーラスワークとかビッグバンドの演奏とか、けっこうな感じでブライアン・ウィルソンを思わせていると思います。まぁ僕もあんまりビーチボーイズ知らないんですが。
いやもっと言うと正直ノーダウトもさほど知らないんですが。
クリスマスアルバムにサーフロック風のアレンジを施す感じがグウェンならではの味付けで面白いんじゃないでしょうかね。
トラックリストを見ると1曲目がJingle Bellsで2曲目がLet It Snowっていう怒濤のベタっぷりで笑わせつつ、王道でありながら少し尖らせているというのが、彼女の才覚そのものであろう。
"Last Christmas"もホントよかった。凄く心地良くて、いつまでも浸っていられる。

アルバムでこれの次の曲が"You Make It Feel Like Christmas"っていう曲なんですが、この曲のイントロのアレンジがモロにWham!のウキウキウェイクミーアップこと"Wake Me Up Before You Go-Go"っていうのも面白い。やっぱり侮れない。センスの塊でしかない。
きっと彼女の子供もまた、強烈なエンターテイナーになるんだろうな。楽しみやで。
そのときオレ何歳なんだよ。おそろしいわ。