6月までは

鬼の4th quarterの反動で、永ったらしい眠りに入ったhiphop界。こうなれば昔のアルバムを引っ張り出すしかないわけで。
Reefa,Jonathan Rotem,DJ Khaled。この3人、なかなか現在注目に値するプロデューサーたちですが、昔々彼ら3人が揃って参加したアルバムがあるんです。興味深いでしょ?ちなみに有名どころではthe Neptunes,Just Blaze,Scott StorchやTrackmastersも参加してま〜す、っていえば、みんな付いて来てくれるかな。
Fabolous『Real Talk』でございます。もったいぶった割にはアイツかよって言われそう。確かに"into you"でのフニャフニャ具合が許せない人も多いでしょうが、このアルバムでのFabは前作『Street Dreams』での成功を経て語り口に自信が溢れており、声には強く芯が通っています。セールス的には失敗となった本作、今こそ再注目に値すると思うのですが。
Producerごとに行きましょう。以下数字は曲番を表します。
まずはJonathan Rotemから。Rihanna "SOS"を筆頭に、the Game "California Vacation"やSnoop Dogg "Bang Out"、50Cent "So Amazing"等を手掛けた人ですが、今作では9、18。前者はいかにもFabなキュート曲。後者はNate Doggのフックも相まって緊張感あります。そしてどっちもキャッチー。やっぱりこのポップさは白人Pゆえなのかな。
続いてDJ Khaled。Terror SquadのDJです。New King、TIの見事なヴァースとAkonの熱いフックを備えたナイスバンガー"We Takin Over"の人です(G-UnitやXzibit,the GameやJay-Z等を手掛けるDJ Khalilとは別人)。プロデュースした4は、なんかなぁ..3"Real Talk(123)"という曲が前にありまして、フックでFabがgangsta〜って言ってて曲名も"Gangsta"かな思ったら違ってて次の曲だったみたいなその紛らわしさもアカンね。てかこの意味不明で煩わしい文章もアカンわ。
で、Reefaです。Juelz Santana "I am crack!"(どんなtitleやねん)やBiggieの"Hustler's Story"もやってますが、もちろんthe Game "It's Okay (One Blood)"の人です。この人が手掛けた10,11が手強いんです。
前者は2007年にも通用しそうなtrap beat!(多少キャッチーなFab仕様)しかもきっちりゲストには、みんな大好きYoung Jeezyですよ!!!ちなみに当時Snowmanはalbum debutしてません(翌年の夏にあの鬼盤『Let's get it:Thug Motivation 101』が出る)。当時から既に完成されているJeezyのあのflowに感心させられますが、超早耳トレンドなラッパー&ビートを採用したReefaさんにはスーペル感心します。あと、Jeezyおなじみのアドリブたち(Let's get itやDaaammnn、Thaaaaatt's Riiigght)をことごとく歌詞カードに載せたレコード会社と、それらをきっちり日本語訳した翻訳家の方にも感心。
そして11。これが激キャッチーなのよね。Lil Moのヴォーカル華やかだし、Fabも似合うね。しかも"Sukiyaki" aka "上をむいて歩こう"のメロを歌ったフック..特に日本人にど真ん中でしょう。凄いなぁ..こんなに振れ幅広めだなんてね、R&Bもいけそうじゃん。今後Reefaさんには大注目でしょう。もちろん"Dem Boyz"とかシングル出てるのにアルバムが出ないLil Moにも、そして本当に6月発売かどうかわからんけど『from nuthin to somethin』が出そうなFabolousにも注目しましょう。
もうちょっと言いたいことあるんですが疲れたので明日にします。この『Real Talk』での大物P仕事について&Young Jeezyの2ndはoverrateだとかを言います。
と思ったけど、やっとこ。NepとScott Storchはそれぞれ5,14と15,17を手掛けてます。14はNep十八番のしなやかでhypnoticでeroticなスムース系で、古くはJay-Z "Excuse Me Miss"、最近ではP. Diddy "Partners For Life"とかが代表的ですね。そんな感じのナイスさですが、残りの曲たちは厳しいな。5と17は,この『Real Talk』と同年に出たJadakiss 『Kiss of Death』収録の"Hot Sauce To Go","Time's Up"のマイナーチェンジ版という感じだし、15は同年のTerror Squad "Lean Back" や翌年の50 Cent "Candy Shop"まんまソックリだよね。結局hiphopがメインストリームのモノになってしまった以上、流行に敏感にならなきゃいけなくなり(Fabolousのようなタイプなら尚更)、多少かぶってもトレンドのプロデューサーにトレンディーなトラックをもらうしかないので、ってことなんだろう。そしてPの人たちは、ヒエラルキーやセールスを考えて、それに見合うレベルのビートを提供すると。
逆にJust BlazeやTrackmastersはイマイチこの年仕事が無かった(失礼)こともあり、個性的なのを用意しています。Just BlazeはUsher『Confessions』の"throwback"だったりCarl Thomas (新作近し!)『Let's Talk About It』の"My First Love"だったりを手掛けてたりしましたが。
さて、明日はYoung Jeezyの2ndに絡めたネタを。