No.20 『Definition Of Real』Plies

もちろん、何を音楽に求めるかは人それぞれだし、このランキングには大差などありません。まあ何となくPliesのこれが一番キツかったかなぁって、それだけです。
具体的に言えば、この人のラップです。
昔、僕が通ってた中学に山田っていう美術の若い先生がいて、顔があんな感じだったからそいつのあだ名はモンゴルだったんだけど、モンゴル先生が広い美術室全体に届くように声を張ると、あーあーあーあーみたいな感じで抑揚の無い、すごく単調な聞こえ方がしたんです。
Pliesのラップを聴くと、いつもモンゴル先生を思い出します。もうちょっとフローに変化をつけてほしい。
ラッパーのゲストを呼ばないんですよね彼は。「そんな5人も6人もラッパーをゲストに呼んだら、そんなのコンピレーションアルバムだ」っていうのが理由らしく、その意気は買うけど、そのせいで尚更あなたのアルバムは単調すぎる..
ただ、全く聴けない訳じゃない。人の曲に客演する時のPliesはカッコええし、自分の曲でもトラックさえハマれば時折素晴らしくクセになる曲を作ります。
そして何よりもこの人はフック作りが巧い。Verseが単調でもフックで救うような曲が多い。
Nasあたりがフック作りに苦しむ間、ナイスなフックを作れるPliesはリングトーン時代を勝ち抜けるし、ラジオ受けも良い。だから、強いよね。キャリアを通して3曲もビルボードのTop20にランクインできるんです。
昨年はT-PainAkonのKonvict勢の力を借りて鮮やかにデビューした思えば、今年はFlorida旋風に上手く乗ったりと、トレンドを読む力もあるんでしょう。
こういうのが好きな人にはたまらんかもね。でも申し訳ないが、僕にはあんまりだな。ラップに中身が無さすぎる。ゴメン。
まあ、"Bust It Baby Pt.2"ではお世話になりました。