No.19 『H.N.I.C. Part 2』Prodigy of Mobb Deep

Prodigy(of Mobb Deep)のソロアルバム。昨今の出来のせいでMobb Deep自体は完全に見切られてしまった感があるものの、ProdigyもHavocも未だにソロ作は期待されているはずだ。
しかもPのこのアルバム、『H.N.I.C. Part 2』は相当な期待を背負っていた。
それはとりもなおさず、Pのソロ過去作2つの出来がとても素晴らしかったからである(特に前作!)。
2000年のファースト『H.N.I.C.』はMobbのときの湿っぽい裏路地ビートだけではなく、もっとドラマチックで派手なビート(今の流行りのtrap beatに近いと言えそう)も採用してPの語り口に迫力をつけた名盤でしたね。そんなアルバムのパート2なんだから期待しちゃうよね。
しかも、そのつなぎとして2007年に発表されたアルバムが、とてつもなく素晴らしかった!!!!『Return Of The Mac』は、全編を彩るAlchemist製のNYソウルトラックに、Prodigyのスモーキーな語り口が完璧にマッチした完全無欠パーフェクトアルバム!!!!Hustlerな内容で、アルバム全体の雰囲気からジャケまで完璧に統一のとれた、見事なアルバムなんです。(『The B. Coming』や『Free At Last』あたりをもっとNY寄りにしたトラックの上で『Reasonable Doubt』の世界を再現したアルバム、といったところか。)ホントかよと疑う人は、大都会のやるせなさを霧の中で表現した"Rotten Apple"、この曲を聴いてください。

そんな流れの中で出たアルバムなんだから、膨らんでいた期待感は相当なものだったんです。相当なものだったんですけどね...
Pのパフォーマンスは悪くない。ただ、耳を奪うようなトラックが少ない。オリエンタルなメロとシャープなビートが混じった"Illuminati"Mobb Deep"It's Alright"を思い出させるベースラインが気持ちいい"Click Clack"、ギャング映画のような重苦しいおどろおどろしさが漂う"I Want Out"ぐらいかなぁ。もったいないよ。
ジャケもいただけないね。なんかアイドルみたいやんけ...

この後、『Product Of The 80s』という作品が出ます。まとまりがあって悪くはないですが、パッとしません。

現在Prodigyは牢屋の中にいます。2008年初めから3年だったかな?ヒマでしょうねと思いきや、ブログをやってるらしく、牢屋の中から更新ってどんなやねん思いますが...
それはともかく、今のうちに色々ネタを考えておいてください。お願いします。