No.22 『The Seventh Seal』Rakim

あのRakimが10年ぶりにアルバムを新作を出しました。
すごいことだ。感覚としては、引退してる伝説のストライカー、Marco Van Bastenがまたフィールドに帰ってきたみたいなもんかな。
もちろんRakimファンバステンみたいに引退などしていない。
1999年の『The Master』を発表して、2002年くらいにあのAftermathとのディールが結ばれたんだっけ。Jay-Z"The Watcher 2"やTruth Hurts"Addicted"、G. Dep"I Am"に客演したり、あのサントラに"R.A.K.I.M."という好曲を提供したり期待させてくれたんですが、一応方向性の違いという理由でDr. Dreと決別するんですね。
その後は特にアルバム製作の話とか聞かれず、Alicia Keys"Streets Of New York"とかLloyd Banks"You Know The Deal(Dollar Bill)"とかにチョロっと出たりするぐらい。
そんな中、あのRakimが帰ってきたなぁと強く思わせたのが2007年のナイキ企画シングル"Classic"。Premoによるトラックで語るRakimは誰よりも輝いてたし、やっぱり凄いよなとリスペクトを深めました。

で、いよいよアルバムです。
……ぶっちゃけると、そんなに期待してなかった。
結果は、まあこんなもんかな。キツかった。
やっぱり時代が違うというか、乗り越えなきゃいけないカベみたいなのがあるのかな。
しっかりとプロデューサーを選んで、適性に合うトラックを見つける必要があると思った。

今作で良かったのは2曲。
鍵盤を交えたDre風のプロダクションが見事で、まさかの参戦となったMainoのパフォーマンスも気合いが入っててキレがいい"Walk These Streets"。
ドラマチックで緊張感が溢れたDreっぽい"Documentary Of A Gangsta"。

そんな感じでして、それっぽい曲があったから強く思ってしまうんだけど、こんな時代にRakimがアルバムを出すのなら、それこそDreのディレクションがあった方が良かったかなぁ。Dreなら何年もかけてBustaの『The Big Bang』的な作品をRakimに作らせるような気がする。もちろん何年も辛抱強く待たないといけないんだけど。
別にDreじゃなくてもいい。しっかりとしたビジョンがあって、まとめられる人、かつRakimに合うトラックを作る人がいたらなぁ。
いくつかあったDreっぽい曲の出来の良さを見て、なんとなくもったいない気になってくる……