No.21 『To Hood 2 Be Hollywood』B.G.

B.G.のアルバムです。
Hornetsは微妙だけどSaintsは驚異的だし、JuveもWeezyもBirdmanも新作を炸裂させたりと、今年もNew Orleansは熱いね。
先にぶっちゃけるとB.G.のアルバムはほとんど聴いたことがない素人です。ごめんなさい。
唯一、『Chopper City In The Ghetto』(1999年)は聴いたことがあります。所謂"Bling Bling"が入ってるアルバムですよね。あれはMannie Freshがアホみたいに絶好調だった時代のモノなんで、流石に良いアルバムでした。B.G.も滑らかで巧みです。
で、色々ありましたが(とばしすぎ)2009年。今年は噂にあったHot Boysのリユニオンが期待されてましたが、来年以降ですね。待ちましょう。むしろ3本柱が揃って新作出しましたから、ワガママ禁止。

今作は当初、Grand Hustleから出るみたいな話でしたが、結果的にはT.I.がエグゼクティブプロデューサーを務めるのみに留まりました。2008年にリリースが予定されていたんですが、延び延びになって、そんでようやく登場。
そのゴタゴタの影響からか、ちょっとトラックの感じが古いんだよね。Trap主体なんだけど、そのタイプが何だか懐かしく感じられるというか。
"Like Yeah"みたいな重心低いtrap、"Back To The Money"みたいな緊張感あるtrap(+AutoTune使わないT-Painみたいなhook)、"My Wrist Game Is Sick!"みたいなオーソドックスtrap、"Keep It 100"みたいなよくあるストラグルtrap。いずれもイマドキな響きではない。一応、B.G.の声質との相性は悪くなかったと思うし、ユルユルなフローでtrapビートに乗っかるのはなかなかフレッシュな聴き応えではあった。でも、やっぱり時代が違うんだよな、やっぱり。今更感は正直ある。
今更感でいえば、ネチネチのバウンスビートもあったりしたのがビックリ。流石に2009にそれはないでしょ、と思うんだけど。
そして、単純に抜きん出たトラックが少なかった気もする。
ギターが苦く、ウェッサイ風の♀コーラス付き"Fuck The Game Up"、抑えた哀愁が絶妙な"Fucking You Right"、実力者KLCがめっちゃギターが唸らせるアッパー"Hit Da Block & Roll"、アーシーな感じがいい"Gutta Gutta"、スクリューフック+程よく展開するメロディアストラックも含めてベスト"Under Surveilliance"、あたりが許容範囲。悪くはないが、程々の出来かな。
注目されたゲストを迎えた曲たちも何だかなぁ。
勇壮な軍隊調でありながら感動的なメロの"My Hood"、いかにもなドラムパターンで鉄板な"Chopper City Is An Army"は共にMannie Fresh製ですね。ただ、この2つもクオリティ的にはもうちょい上を目指して欲しかった。Mannieなだけに、まだまだ満足には程遠かったかな。
"For A Minute"はT.I.とのコンビ曲。そのT.I.が煽りまくるイントロを聴くと、やっぱり声力あるんだなと思いますね。ヴァースは短すぎですが。それにB.G.が地味すぎる。もっと対照的になるように、いつも以上にズルズルな感じでやればよかったのに。
そして、"Ya Heard Me"。三銃士揃い踏みですよ。ワクワクさせるイントロから堪らないんだけど、見所はWeezyのフックとヴァースだけか。B.G.もJuveもTrey Songzも控え目すぎるでしょ。もっとガッツリ行けし。

全体的に押しが弱かった。インパクトに欠けた気がする。
あと、単調。ラップが素直すぎて、平坦に聴こえる。B.G.が何か緩急とかアクセントを付ければよかったんだろうけど。充分にそれだけのテクニックを持った人なだけに、もったいない。

……というのが、素人の意見でございます。どうでしょうか。