No.2 "here comes my love" Mr. Children


Mr.Children 「here comes my love」Music Short Film
ドラマ主題歌として先行カットされていたこの名バラードの時点で既に好調を予感させていましたが、アルバム『重力と呼吸』もまた久方ぶりの名盤となりました。
ミスチルにまともなオリジナルアルバムなし」という説をよく唱える僕も、今作は久しぶりに満足度が高かったですねぇ。個人的には『Discovery』以来に気に入ってます。Discoveryって何年だっけと考えて、1999年だってよ。やばっ。20世紀やんけ。
何が良かったのかというと、こざっぱりしてたんだよね。そこが僕の趣味だった。
桜井さんも流石に歳をとってだんだんとネチネチで大仰にこねくり回すような歌唱が頻発していたんだけど、今回はもうちょっと素直にさらっと歌いこんでいて、そこが素敵だった。
テクニックとかあってもいいけど、別にこれ見よがしに披露するのは違う。ドラマチックで劇的な歌は胸を打つけど、あんまり過度に飾ってしまうと安っぽくなる。
今作はそういったところをあっさりクリアしていて、聴いていて心地良かった。不平不満を漏らすことなく通して聴けるアルバムとなっている。
そう。通しで一気に聴けるアルバムって、今ホント少ないのよ。大抵長すぎたり、あるいはしょうもない捨て曲があったりするもんなんだけど、このアルバムは問題なく一気に通しで聴ける。
なんというか、桜井さんのバイオリズム次第だと思うのよ。カチッとはまった瞬間にいいものが産まれる。能力的にはねそりゃ何の問題もなくいい曲を作り出せるのよ。ただそうはいっても正しい瞬間に正しい感性があって、正しい判断のもとで進んで初めて、クラシックが産まれると。片手間に小手先でヒット曲を作ることはできるんだろうけど、それはインスタントで寿命の短い小ヒットぐらいにしかならない。
非の打ち所がない桜井さんですけど、いくら神様に近いからといってもやっぱり人間ではあるので、そう簡単じゃないと。
でもきっと今回で得た感触は良かったと思うし、今回経た過程は今後の作曲活動にまた影響を及ぼすと思いますので。
ますますのご活躍をお祈り申し上げますっていうところだな。