キャラクター寸評からP5Sを褒め称えよう!!!の巻

さて長々と続けてきましたこの企画もラストっぽくなってきました。
最後はキャラクターについて触れようと思います。
当初の予定ではシナリオの話も並行して書き連ねるはずでしたが、まぁ先のサントラトークにてだいぶ触れましたからね、もうシナリオについては書くことはあんまりないかなぁと。
っていうか僕のモチベーションはサントラについて書くことであって、果たして今回も濃い内容をお届けできるのだろうか。
なんか心底蛇足になりそうですけど、やるって宣言してるんで、やる。
では始めていきましょう。ネタバレありますからね要注意。




主人公
年相応にはっちゃける感じがあって、そこが良かったよね。キタローはシュールな笑いが持ち味だし、番長はあんまりギャグパートがない中、ジョーカーは普通にがっつりボケに行くところが特徴的。
相変わらずイケメンやしね。今回は横顔が最高峰にカッコよかったです。
f:id:throughthewire:20200305185304j:plain
「野菜も買おう」っていう選択肢が登場するRPGってよく考えるとすげーよな。ペルソナってすげーわ。



佐倉惣治郎
久しぶりに再会しても変わらないボヤき口調でいつもの空気を作ってくれるし、ピンチを察してすぐに「柊アリスのことだろ」って勘付く鋭さも変わらず健在。怪盗団にとっても頼れるシニアアドバイザーというか、なんか精神的支柱という感じがする。急に訪れた危機的状況に焦りが隠せない怪盗団の面々だったけど、あの場面は惣治郎のおかげで一旦落ち着いたというか、視野を広く確保できたというか。僕なんかはプレイしながら「そうじろ〜!!! (泣)」って双葉ばりに叫んだからね。ペルソナ5の素晴らしさの半分は、佐倉惣治郎。絶対そうだ。
きっと夏休みが終わっても、みんな暇を見つけてはルブランを訪れるんじゃないかって思ってる。双葉に会えるし、サユリに会えるし、惣治郎に会えるわけだから。カレーも奢ってくれそう。春ちゃん先輩や竜司とかがルブランに来るのを妄想するだけで、幸せになれます。



坂本竜司
P5を語る時にはものすごい勢いで叩かれるのが竜司でありますが。
なんJとかでも語られてるのが、「コープ竜司は神、本編の竜司はうんこ」。
全部が全部ダメなわけじゃなくて、いいところもあった。っていうか本編でうんこなのは物語の進行のために割りを食っただけであって、結局はライターのさじ加減。ポテンシャルはもともとあった。間違いなく。
コープ竜司の良さというのは、そのまっすぐすぎる仲間思いな姿。
P5Sで描かれる竜司は、まさにそれでした。己を顧みず仲間のために献身する。
ソフィアのため、一ノ瀬のために、少しぶっきらぼうにもガツガツ突き進んでくれるその逞しさが、めちゃくちゃカッコいいじゃねぇかよ。こういう竜司を待っていた!!! この感じだよ、これこそペルソナ相棒枠のあるべき姿!!!
マークとかミッシェルは案外こういう感じのキャラだったりするんだけど、順平とか陽介とかって結局はカッコつけだったりするじゃない。竜司は自分よりも仲間を優先することを厭わないというか、全然自分を後回しにするだけの覚悟はありそうだよな。
今回のMVPの一人でしょう。ちゃんと盛り上げるし、ジョーカーの細かいボケにもきっちりツッコんでくれる。やはり無くてはならない存在。
総攻撃の時のガッツポーズ、熱くて好き。
一番最後、「俺ら、忘れっぽいからよ」っていうセリフ。最っっっ高でした。



モルガナ
本編のモナってちょっと嫌味っぽさが目立つ感じもあったりしたんだけど、今回は冷静さが出てた気がする。頼れる参謀っぷりをうまく出してましたね。
沖縄で竜司と二人でソフィアのためにブチギレるシーンはコミカルでもあり、ちょっと泣けるいいシーンでした。



高巻杏
本編と同じく冒頭のダンジョンでメインにフィーチャーされたりと、決して悪い待遇ではないんですけど。
じゃあスクランブルで杏ちゃんが活躍したシーンあったかなぁって考えて、特に思い浮かばないんだよなぁ。
せっかくの観覧車デートもなぜかモナ同伴やし。
ノリが悪い子っていうわけじゃないんだけど、意外とマジレッサー説はある。楽しいことをするのは好きだろうけど、ユーモアの感性はないのかもしれない。
典型的A型女子って気がした(暴言)。実際何型かは知りません。



喜多川祐介
物語序盤はやたら京都にこだわる謎スタイルからスタート。祐介は人とリズムが違うだけで、まともな人間なんだよってことをちゃんとライターが理解してくれてるかどうか不安だったりしたんだけど。
やっぱ祐介よかったよ。仙台ジェイル前後での行動がいちいち鋭くてスマートだった。みんなで移動する時に主人公を呼び止めて改めて二人で意見交換を重ねたりと、ここら辺の信頼関係の深さ、厚さも嬉しかったね。
夏芽安吾にかつての自分を重ね、そのささやかな違いがもたらした未来の分かれ道を思って、まっすぐに言葉を送る祐介。芸術と真摯に向き合う、偉大な男の一端を再び見せつけてくれる。
「俺だってお前らがいなかったら、ああなっていたのかもしれない」っていう祐介は、きっとこれからもずっと主人公たちへの感謝を忘れないで生きていくんだってことがわかって、改めて義理堅い男だよほんと。P5屈指の名言「だが、あの時お前たちがしてくれた事は、俺の一生涯の宝だ」を思い出して、目頭が熱くなってくる。
ペルソナ5を崇高たらしめる最高の男、ありがとう祐介。大好きだ。



新島真
本編では死ぬほど優遇されていた世紀末覇者先輩なんですが、このP5Sに関してはやや地味目な役回りに終始したか。
しかし免許とって1年そこらでキャンピングカーを一人でずっと運転して日本一周をしちゃうとか、もはや影のMVPですわ。なんて地味な役回りだったんだ。
まぁ服装は誰得な感じでしたが、変わらず麗しい人です。



佐倉双葉
茜ちゃんの誤解を解かなくてはいけないシーンで、なんかずっと茶々を入れたりしてる双葉はうんこガイジでしたが、それ以外は概ね良好。めっちゃ頑張ってくれた。メンバーも気にかけてるし、幸せそうにしてる双葉を見るのは嬉しいからね。
宝魔を倒すトロフィーをゲットするために無駄に警戒度を上げてジェイルを探索したりしたんだけど、そうすると双葉が「敵の警戒度が高いなぁ... もう無茶な行動はするなよぉ (泣)」みたいなセリフを言うんですが、その言い方が可愛くて良かった。



奥村春
今作は僕の大好きな春ちゃん先輩が結構フィーチャーされたのが本当によかった。
本編では加入時期が遅いせいで、あんまり深掘りしてもらえぬまま物語が完結するって言う憂き目にあっちゃったんですけど。
今回では彼女の為人に改めて触れることができました。
社長令嬢ですけど実はファンキーでノリがいいんですよ。平時の場面で善吉に対して「美少女怪盗と申します!」と言う持ちギャグを披露したり、煽ってくる初期善吉に対して笑顔で罵倒してみせたり、例の「ヒーホー!」をジョーカーに続いて叫んでみせたり。
その上つらい夜にはこっそり主人公を公園に呼び出して悩みを聞いてもらうっていう、もう超ハイパーミラクル王道ヒロインっぷりも兼備。
やっぱ春ちゃんがナンバーワン!!! 間違いないで。
こうなってくると同じファンキー令嬢である雪子と気が合うかもしれんなと一瞬考えたけど、あっちはガチのガイジやからな... そっとしておこう。



ソフィア
こういうロボキャラとペルソナは相性いいんだよね。アイギスもそうだし、PQ2のリボンも切なくて素敵なキャラだった。
ソフィアは心を学ぶとか言ってるけどデフォルトで優しいというか、思いやりがあるところから始まってるんだよね。嬉し泣きとか悲しい怒りとか、複雑に高ぶる心情に気づいてすぐに質問するんだけど、そこに気づける時点で君は十分にあったかいんだよってずっとプレイ中思ってた。
菜々子のようなイノセントな素直さもあって、つまりはアイギス+菜々子かいな。欲張りすぎだろ。贅沢すぎますわ。
怪盗団みんなソフィアに頼りっぱなしだけど同時にソフィアも甘えてくれるから、そこで旅路が華やかに彩られた感じはあるよね。みんなソフィアのやりたいことは最優先にやるぐらいのテンションだった。
可愛かったわぁ。ソフィアの健気に頑張る姿は、P5Sに別の角度の輝きを与えてくれました。ナイス。
決戦を前にしての一ノ瀬とソフィアの絡みは、このゲームを代表する名場面。
何やってても泣けるわ。ソフィア最高すぎる。



長谷川善吉
善吉の一番のいいところは視点の違いです。同じ風景、同じ事象を見つめても、紡ぐ言葉が違う。年齢は40代だろうから、そりゃ違うわな。
終盤にいい場面がありました。ダイジェスト書きます。
春ちゃん先輩の「またこうなっちゃったね。私たちって神様に嫌われてるのかな?」っていうセリフがまずあった。このセリフ好き。かっこいいし、優雅。
祐介も反応。「ああ。再び神を相手にするとはな... つくづく相性が悪いらしい。」こういう場面で綺麗に繋げられるのは、やっぱり祐介。そうだよな、ここもいい。
双葉も続く。「きっと後で罰が当たるなこれ。」ニヤニヤしながら言うこのセリフもいい。メガテンの派生がペルソナであることを再認識させるような感じの、これもいいセリフ。
するとここで。ここに乗っかる善吉のセリフが粋なのよ。「そりゃ相手次第だろう。インチキな神を崇める必要はねえ。」
そう、こういう感じのセリフ。こういうのを待っていた。こういう価値観、こういう言葉選び。いいですね。
善吉はノリもいいしユーモラスな人なんだけどさ、ただジェネレーションギャップみたいなものはあるからね、だから素でびっくりしたり呆れたり、途方に暮れたりもしてた。
だけど懐が深い。理解があるし、全てを受け入れてくれる。
地味だけど、真と二人で警察という職業について喋るシーンとかも、深みがあってよかったし。
あと、「...世の中の奴らは驚くだろうな。こんなお人好しのガキが、怪盗団なんてよ。」的なセリフがあったよね。茜ちゃん関連のくだりも、よくできてたよ。
茜ちゃんが配信やってるっていう話の展開もナイス。猫も杓子もYouTuberになるこのご時世をいち早く反映させられるペルソナという現代ジュブナイル作品の金字塔っぷり。やっぱナンバーワンでしょ。





という感じでどうですかね。なんかもっと言いたいこと書きたいことあった気がするけど、また思い出せた時に書くとするよ。
P5Sには愛がいっぱい溢れている。竜司じゃないけど、愛の力ってすこい。それをすごく思った。
アトラスはもちろん、コーエーテクモゲームスにも特大の感謝。ペルソナ愛を存分に感じさせる、珠玉の名作でした。こんなゲームを待ってたんだよずっと。
きっと、シブサワコウ御大がビシバシやってくれたんだろうな。俺の大好きなペルソナの製作に携わる意味、わかってるんだろうなぐらいのことは言ってくれたに違いない。
愛した分、愛されるようになる。そんなことを思ったりした。



P5Rのニューエンディングが腑に落ちないプレイヤーもたくさんいたと思いますが。
ペルソナ5 スクランブルは、最後の最後まで、一番見たかった絵を届けてくれる。
善吉との別れ、ソフィア&一ノ瀬との別れを済ませた怪盗団。夏休みの終わりは、しばしのお別れを意味する。みんな、そんなことはわかってるよ。
でもさっき善吉が発した言葉。「まあ、これが今生の別れでもないだろう。またいつか、どこかで会うこともあるさ。」
いの一番に手を振り笑顔で去る竜司。特別な別れの言葉とか、要らない。
みんなもそれに続いて、それぞれの帰路に着く。笑顔を交わして、そのまま振り返らずに。
あっさりだけど、別れぐらいあっさりじゃないとね。だから、これでいい。
またこうして違う方向へ線が伸びていったその先に、交わることもある。
ありがとう、怪盗団。また会おう。必ず。