キョコロヒー楽曲プロジェクト

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番組後半にあった、キョコロヒーで楽曲を作るっていうプロジェクト。
齊藤京子PUFFYの名前を出してて、もう僕はめっちゃ興奮したのよ。
そうだよ、それだよ京子さんって僕は興奮した。



90年代後半、とんでもないレベルで完全に一世を風靡した女性デュオPUFFY
彼女たちのビジュアルやファッション、ライフスタイルとかパフォーマンスは大きなムーブメントを起こしたわけなんですが。
燦然と輝くその足跡の中で、個人的に正しく評価されていないなと思っている項目がありまして。
それが、彼女らのリズム感の素晴らしさである。


世間一般でダンサブルな曲、あるいはもっと大きく分類してノリがいい曲っていうのを考えた時に、僕らはついついアッパーな曲をイメージしがちだと思うんだけど。
それは良くない。実に間違った認識なんだ。
そりゃ一級のダンサーにとってBPMが高い曲は実力が発揮しやすくて踊りやすいかもしれない。でも誰もが皆踊り慣れた人間ではないのが事実。ダンスフロアにも色々な人がいるし、クラブの外にだって曲を耳にする機会はたくさんある。
誰にとっても踊りやすくて乗りやすい曲っていうのは、案外ゆったりめのリズムだったりするのだ。


何かの記事で読んだんだけど、かつてPuff DaddyはプロデューサーチームTrackmastersに対して、「みんなが踊りやすい曲って考えるとこうなるんだ。まぁ見ててよ」とか言って"It's All About The Benjamins"のPVを見せて、それでTrackmastersは深く納得したみたいな話を読んだ記憶がある。
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TwistaKanye Westの名曲"Slow Jamz"の冒頭でJamie Foxxが語りを入れてるんだけど、その内容も「なぁカニエ、俺たちは女の子の気持ちを全然考えてないんだよ。彼女らはクラブでクソ速いアッパーな曲ばっかり踊らされてさ、喉が乾いてしょうがないみたいだ。もう毎晩90とか100曲ぐらい次々に踊らされてね」みたいなのがあった。
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PUFFYの歌って踊ってる姿を見た時、我々日本国民はみな「ダラダラやる気がなくてテキトーだ」と評してた。
でも本当はそうじゃない。全くもって的外れな論評でしかない。
二人は最もダンサブルなリズムのトラックに合わせて、きっちりとオンビートで的確にパフォーマンスしている。
計算され尽くした、見事なまでの塩梅。
全ての人にアプローチできる、最強で最高のリズム感なのだ。


その一番の証拠が昨年のTikTokで起きたあのリバイバルヒット。
2022年、たくさんの人たちによってTikTok上で踊られ歌われたかつての名曲"愛のしるし"。1998年リリースだぞ。20世紀の曲なんですけど。
もちろん草野マサムネ様の偉大なるソングライティングによる部分も多々ありつつ。
何度も言うけどこのズンチャンズンチャンのリズムの心地よさと踊りやすさが、たくさんの若者にアプローチできた大きな要因なんだと思う。
PUFFYは、日本の音楽史が誇る最強のダンスユニットだと言えるでしょう。
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PUFFYのフォロワーとして一番近かったのはHALCALIだね。アティチュードやメンタリティはかなり良い線を行っていてコアなファンに熱烈に支持されたが、HALCALIPUFFYよりもガチなダンサーだったせいで楽曲が本格めな感じになってしまったのと、ビジュアルがアレだったせいで残念ながら完全ブレイクには至らず。もったいなかった。
まぁでも良い曲いっぱいあるから、未来のみなさんいつか絶対掘り返してね。お願いします。
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ああ死ぬほど名曲。サンキューYUKI&YO-KING夫妻。



話を戻すけど、いやぁ京子さん偉いよ。
この楽曲会議のためにしていた準備が見事すぎる。
PUFFYという名前を出して、さらに具体的なイメージとして楽曲まで挙げてたよね、"渚にまつわるエトセトラ"と"愛のしるし"。いいね最高。この2曲が最もポピュラリティがあって、タイムレスな魅力があると思う。
PUFFYの代表曲である"アジアの純真"と"これが私の生きる道"を外してるのがガチ感あって最高。
京子さんは1997年生まれです。アイドリング!!!で言うと玉川来夢たん世代。橋本楓高橋胡桃と同じ年ではありますが、彼女らは早生まれですので学年違い。そしたらまたかえぴょんに皆さんより遅生まれですよみたいなこと言われそうですが。
閑話休題。1997年生まれの齊藤京子が、1997年リリースの渚にまつわるエトセトラとか1998年リリースの愛のしるしをリアルタイムで知っているわけないのよ絶対に。
この会議用に勉強したのか。PUFFYの楽曲を漁っていく中でベストを導き出せたのか。
それとも家庭環境も含めての元々の音楽的な素養があって、勉強せずとも一般教養として既に知識が蓄えられていたのか。
真実はわかりませんが、こういう音楽の感性において、やっぱり齊藤京子は信頼できるなとあらためて思いました。


確かにキョコロヒーという番組の脱力感はPUFFYだ。脱力しているけども、芯を食っている感じもPUFFYに近いかもしれない。
ヒコロヒーと齊藤京子というそれぞれの存在感というかアイコン的価値も、どことなくPUFFYに通ずるものがある。
タイミングもいいし、舞台も整っている。
大きなものが生まれるのを期待しています。
できればマサムネさんに作曲してほしいけど、それは流石に無理かなぁ。
まぁでも期待。
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まぁどうしてもいい曲ができなかったら、二人でこの曲をカバーしてください。ぜひ。