through the wireとは

まあちょっとした意味がありまして、1つには色んな人たちとワイヤーを通して繋がって行く(やや偽善)という意味、もう1つには僕の好きな曲に"through the wire"という曲がありましてこの曲のように何か含蓄のあることが伝えられたらなぁという意味があるのです。今回は問題の曲"through the wire" by Kanye Westについて。
洋楽でしかもラップミュージック。なかなか初心者には立ち入りにくい領域ではあろうが、とてもメロディーがキャッチーで親しみやすい曲なので、ぜひ一度はご清聴を。カニエ ウエストというアーティストの『the College Dropout』というアルバムに入っています(このカニエ ウエストというアーティストさんは歌詞も面白いので歌詞の和訳が付いてる日本盤がオススメ)。
この曲最大の特徴といえば、イントロから曲の最後のフェードアウトしていく時までずっと合いの手を打っているかのように聴こえる女性の裏声みたいなヴォーカルであろう。これは一体何か、説明しよう。
みなさんはテレビでVTRの早回しを見たことがあるでしょう。キュルキュルみたいな音をたてながら、人の会話はキーキーという感じになっていたはず。そうです。それです。この曲の女性の裏声は、早回しによって産まれているのです。ただ、VTRを早回ししてるのではなく、レコードを早回ししています。
僕もイマイチレコード世代ではないので詳しいことはわかってないんですが、レコードというものは(1分間あたり?)33回転と45回転という風に分かれており、その聴きたいレコードに表示されてる回転数にレコードプレイヤーの回転数を合わせて、皿を回して針落とすという流れ。で、ご察しのとおり今回の曲は、本来33回転に対応したレコードを、あえて45回転で回し、その結果この曲のカラオケ(akaトラック)、そしてああいう裏声みたいな女性の声が産まれるわけです。
早回しにしているレコードは、チャカ カーンの”through the fire”であります。まぎらわしいですね。もちろんカニエさんがわざと狙って掛けてるんですけどね、fireとwire。ちなみにこのチャカ カーンの"through the fire"もストレートで情熱的なラブバラードでとても素敵な曲ですよ。(トリビアですが、Chaka Khanをチャカ カーンとよむのは日本だけで、本国アメリカではシャカ カーンとよむらしい。the Notorious BIGの"Who shot ya"などで確認可能)
カニエ ウエストという人は一流のラッパーでもあると同時に、このようなユニークな曲作りを得意とする超一流のプロデューサーなのです。ヒップホップだけでなくR&Bのプロデューサーとしてもいい曲たくさん残してますので、気になった方はぜひぜひ。
この曲のタイトルの意味、この曲の歌詞。あるいはカニエ ウエストの仕事っぷりや歌詞の面白さなど話のネタは尽きませんが、もう疲れたんでまた今度。