No.10 "Wouldn't Leave" Kanye West


Kanye west - Wouldn't Leave ( Audio )
アルバムの中でこの歌が一番好きだったな。大観衆を熱狂的にロックするようなスタジアムスケールと、人々の魂を情熱的に揺さぶるようなゴスペルムード。
カニエは今でも模索しているんだよね。どのような形が人々の心と耳に一番届くのかっていうのを、ずっとずっとさがしている。
現時点において、この形が彼の持ち合わせている唯一の解であると。


あらためてアルバムを聴き、そしてあらためて自分が以前記したファーストインプレッションを読んでみて、まぁ何か特別付け加えるようなことあるんかなってなった。
d.hatena.ne.jp
言いたいことは大体既に書いてあったね。


そういやもう一枚アルバムを出すとか言ってめっちゃ日付をプッシュしてたよな9月29日だっけか、あれはどうなったんや。あの後何事もなくその日は終わってしまい、なんかキム・カーダシアンが11月に出すで〜とか軽い気持ちで延期を発表してましたけど、気がつきゃ11月も過ぎてしまっていつの間にか無かったことにしてるぐらいのノリです。ひどいもんやで。
あの一連の流れの中であった一番の盛り上がりで言うと、予てから熱い支持を表明しているドナルド・トランプとの会談っていうビッグイベントがありました。カニエ&トランプという組み合わせとかどう考えても茶番でしかないんですが、実際の会談の方は向かい合った瞬間からカニエが一方的に捲し立てて自らの信条と願いを言葉にし、それをトランプが苦笑いで受け止めてあげるという、ある程度予想された通りの茶番に終始しました。
しかもカメラを背にしたカニエが自らのiPhoneを取り出して操作しようとしてたんですが、スリープから立ち上げる際にパスコードを入力しますよね、そのパスコード入力の場面をバッチリカメラに撮られてしまい、全世界に自分の携帯のパスコードが発信されてしまうという、愉快なカニエさん。


世の中には天才を嫌う人もいるみたいですよね。あいつらありえんって。
僕は天才大好きです。天才は面白いし、刺激的だからね。
そりゃ変人さ。天才なんだから。そりゃキチガイみたいなもんでしょ。天才なんだから。
真似なんてできないし、真似しようと思って努力したところで惨めなだけだから、やめたほうがいい。
でも天才って本当にインスピレーショナルだから。天才に触れることは大事なんだよ。
彼らは本質を理解している。本能的に一瞬で掴み取り、自分のモノにしてしまう。
つまり、彼ら天才というのは物事の本質に最も近いところにいる存在である。
っていうことは、天才を見つめることで、僕ら凡人もまた本質へと近づいていくことができるということよ。
繰り返すけど天才の真似はできませんので、同じアプローチはできない。
でも場所とか形、在り方とかは教えてもらえる。天才が教えてくれる。
そこからは自分なりの方法で本質へと近づいていけばいい。
最高やんけ。こんなオレでも本質に近づくことができるかもしれないなんて。
天才はこんなにもインスピレーションを与えてくれるんだ。感謝感謝よ。


アルバム『ye』の"Violent Crimes"という曲。さっき何気なく見たらめっちゃ評論家筋の方々に非難轟々で草も生えません。「カニエは女の子が成長して生きていく世界のことを何も知らない」みたいな熱いディスりがあるみたいですが、そりゃあねぇ男やからね、完璧には知らんよ申し訳ないけど。
とても温かい曲だった。自分の娘たちには辛い思いや悲しい思いはさせたくない、早く大きくならなくてもいいから、幸せになろうねっていう、そんな父親の不器用な子守唄。
曲の最後には、娘のお気に入りラッパーであるNicki Minajの声も収録されている。
娘さんたちが大きくなって、もう一度この曲に触れた時に、お父さんの優しさに涙することもあるんかな。そうなったらとても素敵やね。
まぁ実際はカニエのラップ部分にしょうもないリリックも多くて感動ムードを台無しにしかねない可能性もある。
でも、そのしょうもない歌詞だって言わば照れ隠しみたいなものだから。ど真ん中にあるハートに嘘偽りはないから。
いつか、ちゃんとお父さんに感謝する瞬間が来ることを願っております。

Kanye West - Violent Crimes (Lyric video)