No.3 『Trilla』Rick Ross

2008年になって初めて聴いた新譜がこれでしたね。
その時感じたのは「なんかムダに盛り上げすぎじゃねぇか」とか「前作の特徴であったマイアミ涼しい系は殆んど無くなっちまったのかいな。これじゃあ全編ヘビーなまさにJeezyアルバムで、Rossのアイデンティティーとか皆無やんけ」でした。早い話、そんなに良いとは思わなかったんです。
ただ、今こうして一年を振り返ると、相対的にこのアルバムはハイクオリティだったということになりました。
まずジャケがよろしいね。ボスなキャラにぴったし。
語り口にも磨きがかかって迫力あります。ただ、同郷のTrick Daddyと同じで、ちょっとbpmが高いトラックでラップした方が持ち味ありそう。スローだとダラける。
ベストは"Maybach Music"。J.U.S.T.I.C.E. Leagueによるベースが渋いトラックの上で余裕たっぷりのRossとJiggaがレイドバックする今年屈指の名曲。Rossによる曲の締め方もカンペキ。
"Here I Am"なんかも良かったんじゃないでしょうか。前作の"Get Away"よりは劣りますが、悪かない。
前作には"Boss"という曲があったのに、また今回"The Boss"って。まあJay-Zは"Anything"という曲が2つ(1999年2006年)あったり、Faith Evans112の"I Can't Believe"に参加した何年後かに"Can't Believe"を出したりってどんだけ信じられへんねんとか、まあえーよ。
でも"Luxary Tax"は頂けない。そりゃWeezyもJeezyもこのあと控える自分のアルバムのことで頭一杯だったんでしょうが、せっかく豪華になったんだからもうちょい奮起してクラシック作りゃよかったのに。もったいない。
まあ所詮は看守が妄想で作り上げた作品なんだから期待しすぎるのもアカンよね。