No.9 『Cocky & Confident』Juvenile

Juveのアルバムですね。3年ぶりか。好きなラッパーの一人なので嬉しいです。
Katrinaの件、そして娘さんを失うという悲しみ……お悔やみ申し上げます。頑張れJuve。負けるな。

さて、アルバムの内容の方なんですが、けっこう攻めてます。わりとトレンドを意識したような曲がいくつかあって驚き。
知ったかっぽく言うと、ヴァイブミュージック風。今まではNew Orleans調の枠の中でいろいろやってたと思うんですけど、ストレートにトレンドをやるのは意外。
でもまあ、Juveは力のあるラッパーなんでね、外してはないかなと思う。出来としては悪くないはず。

冒頭の表題曲が普通にヴァイブ〜ですね。ヴァース部の緊張感が好き。
"Gotta Get It"はWeezy"A Milli"路線ですが、タイトだし、トラックのメロも考慮したようなフローもいい。
"Back Back"は前作の"Around The Way"っぽいか。ヴァースからフックまで実に鉄板です。
"We Be Gettin' Money"はわかりやすくtrapだけど、フックのメロとか独特の苦みはJuveらしいね。マイクリレーにしたのも好判断。
"My Money Don't Fold"はメランコリックでメロディアスなトラックに埋もれず、手堅くまとめあげるラップの力が出てます。
"Top Of The Line"はプロダクションの質が高いんだけど、ずっとズルズル行くのはね、南っぽいけど、どうもなぁ……
"Make U Feel Alright"はMannieっぽいドラムパターンだけど、今作はno Mannieで残念。でもこの曲はフックの掛け合いとか巧みだし、なんつってもラップ巧すぎなんです。2番とか巧すぎでしょ。
"It's All Hood"はピアノのアクセントが利いたバウンスビートがいかにもでたまらないね。
"New Orleans Stunna"も前作から見られるようになった派手なタイプです。がっぷり行ってて聴き応えあります。
"All Over You"もたまらんな。スイートな鍵盤が美しいし、雄で行くJuveもカッコいいよ(No Homo)。
"You Can't Stop Me"はRick Ross"Speedin'"あたりのtrapに近いけど、あえて鼻唄交じりにフローしたりするJuveの余裕のテクニックに脱帽するしかない。Partners-N-Crimeも的確にアシスト、2番のリリック「Oh I did it like OJ」は不謹慎ながらも笑えました。
"Break It Down"はきれいなパーティーアッパー。Q Corvetteという方の甘い歌唱も半端ないし、こういうのもすんなりこなすJuveも普通じゃない。
"I'm Out Chere"はよくあるtrapかもしれないけど、やっぱり完成度は高いし、良い出来だ。食らい付くラップもカッコよし。
"I'm Shining"は従来っぽいが、普通だった。
"I Say"こそが"A Milli"系だね。Youngin'の飄々としたドープな語りが救ってます。
"Everything"も普通。Bobby Valentinoは"Slow Down"の時からずっとファンなんだけど、あんなに歌が上手い彼も生き残るためにこういうtrapも歌わなきゃいけないのは、辛い……
"Hands On You"は人選や雰囲気がめっちゃイマドキ。前作における"Rodeo"の役割を担わせるつもりだったのでしょうが、もうちょい。
"Listen"はなんかmixtapeっぽいやり方だね。ラストにふさわしい感動があります。

……ってな具合です。まとまりのない文章で申し訳ない。
なんといっても、Juveのラップの巧さが光るんだよね。引き出しが多いし、いちいちタイトだから凄すぎる。
しかも、ラップはパワフルで力の込もったものになってて、カッコいいんです。今までで一番、腹に力入れてラップしてるんじゃないかな。
もっと客演も増やしてほしいし、たくさんアルバムを出してほしいってあらためて思う。こんな実力者がこの程度のステータスで留まってるのがありえない。もっともっと上のステージに行ける人だからさ、さらにもう一花、二花咲かしてほしいし、頑張ってほしいです。頑張れ〜!