No.4 『Apollo Kids』Ghostface Killah

ゴメン。ぶっちゃけ、出ること知らんかった。ゴメン。
ほとんど聴き込めてない中で文章書くのはアーティストさんに失礼すぎるんだけど、許してくれ。

一聴二聴で気付いた点を書いていきますか。
アルバム名に自らの2000年の代表曲を冠している点で今作に懸ける想いの託され具合がわかるけど。
前作で魅せた趣味全開の世界の華やかこそないが、今回のトラックはソリッドでいてダーティーな狂気に溢れている。これって昔ながらのWu流儀ではないか。
昨年やたら意味不明なまでに持ち上げられたOB4QL2とは全く違う。これこそがWu-Tangだし、時が流れても変わらず輝きを失わない、真のアイデンティティだろ。
こういうロウな舞台にはただただノーギミックの闘いが行われるわけで、主役のGFKは当たり前に暴れまくってるし、ゲスト陣も己を誇示すべく奮闘。Joell OrtizやJim Jonesがキャラに合ったパフォーマンスを披露して好感が持てる中、際立つのはジーニアスGZAだね。文字通り天才だ、鮮やかです。
(どうやら、にわかRaekwonフィーバーはフェードアウトしたみたいだ)
印象的だったのは過去のヒップホップクラシックスからの引用。
「Hip hop was set out in the dark/ they used to do it out in the park」をアレンジしたり、「Ch-Check out my melody」、「Can I kick it?」あたりの超定番ラインの引用に目新しさとか無いけども、なんだかんだ興奮するポイントではある。
初期衝動を取り戻すためにラップしていったら、自然と口をついて出たのが、有名クラシックラインだったみたいな感じが。
やっぱり、ロウなアルバムと言えるだろうね。なるだけ簡素にかつヒップホップに忠実に製作したのがよくわかる。

文句をつけるとしたら、ラストの"Troublemakers"っていう曲がやたらしょぼいことだね。ここでのRedmanはリリカルだけどカッコよくないし、クライマックスがMefなのもなんだかなぁ。ラストは静かに燃えるハード曲か感動系かを置いて欲しい。
OB4QL2が賛辞を貰えたのは、9割方"Kiss The Ring"のおかげだからね。ああいう感じにアルバムを締め括られると、やっぱり素敵だもん。

しかししかし見事だったぜ。
サンキューTony。