#2 "Indy" Santana featuring Miguel

Clive Davisって死んでないよね。たぶん生きていると思うんですが。ちょっと確認しなきゃ。
とりあえず後期Santanaを語る上ではCliveさんは避けて通れませんわ。色々な面で様変わりしたこの業界で逞しく生き抜く術を授けてくれたこのオッサンには、感謝してもしきれない恩がある。
意外と最新アルバムのゲストは地味な並びなんですけどね。Supernatural以降では最も抑え目にした感じ。



このIndyがなかなかに名曲なんですよね。Carlos SantanaとMiguel。
Rhythm & Bluesですからね、やはりブルースという点で二人には通ずるものがある。
いかにもSantanaっていうイメージ通りの楽曲。オレンジの夕焼けに照らされながらはるか遠くへ想いを歌う、まさに哀愁。
もちろんMiguelもベストのパフォーマンス。ソウルっぽさや黒さを必要以上にだすこともなく、わりと生真面目に、それでいて情熱的に発していて、気持ちがいい。


よく考えたら、彼は最初からそんな感じだった。
あんまり黒さを感じさせなかったし、あの寒いファッションとは真逆のスタイルの歌唱、つまり規則正しく真面目っていう。
しかもブルージーなトラックを好んでいた。ブルースロックのようなギターのうねりの上で、かっちりとこなしていた。
つまり全部が全部、彼のレパートリーであった。普段どおりのMiguelがそこにいる。


前にも書いたことがあるけど、Maxwellに近い存在なんだろうな。
ただ、あの人は音楽的に漆黒だし、もっと変態で、もっと突き詰めて繊細で、緻密。ジャズの瞬発力もあるし、R&B的な温故知新もわかってるし。
Miguelもすごいけどね、ただベタだし、単純すぎるきらいがある。
嫌いじゃないけどさ。



新しい大物が出てこないんだよな。いつまでも90年代とか00年代前半のタレントに頼りっぱなしで。
全然だめやな。