スワローズ 2021 レビュー pt.3

これでこのネタは最後です。
どうぞ。




47 高橋奎二 O型 2.87 4勝1敗 80奪三振 WHIP1.07
元々はセンバツを2年生エースとして制したエリート。入団後は当時の2軍監督だった高津臣吾が我慢強く育て上げて、2018年に待望の1軍デビュー。3試合目で初勝利を挙げ、同時期にデビューしてプロ初打席初ホームランを放っていた村上宗隆と共に、未来のスワローズの投打の柱として大いに期待させたのだが。
翌年2019年、2年目ながら36本塁打で新人王に輝いた村上とは対照的に伸び悩む。開幕ローテに入るものの不安定な内容が続き、満足いく結果は残せず。
さらに2020年、藤浪晋太郎と投げ合っての勝利は素晴らしかったが、その1勝止まり。コンディション不良に泣かされた。
2021年オフ。いきなり飛び込んできた板野友美との結婚っていうニュース。そりゃおめでとうなんだけど、お前そんなことやってる場合かと厳しい声も相次いだ。3年前はあんなにも期待されていたというのに、もうファンからはほとんど無視されてるような存在にまで堕ちて逝ってしまったのが、今シーズン開幕前のリアルな立ち位置だった。
開幕2軍スタートも、そこでカツオとのやりとりがあったり、尾花さんや力者との絡みがあったのが大きかったのかもしれない。交流戦終戦のホークス戦で初登板を勝利で飾って3タテに貢献すると、それ以降も安定感のある投球を披露。勝ち星こそ4つしかつかなかったけど、ほとんど乱れることなくシーズンを駆け抜ける。優勝争いの佳境で迎えた阪神戦で2試合登板、神宮での試合も悪くなかったけど、甲子園での試合が大きかった。前日を奥川で落としていて嫌なムードが流れる中、7回無失点の好投。引き分けてマジックをひとつ減らすことに成功した... というよりかは直接対決を落とさなかったっていうのが大きかった。まぁこの後チームは連敗して地獄だったんだけどね。
優勝決定したDeNA戦も、CSFSG2も良かったけど、やっぱり何と言っても日本シリーズG2。
前日をまさかの大逆転サヨナラ負けで落とし、チームの雰囲気もドン底の中、気合いで立ち向かう奎二。勢い付くバファローズ打線を完全に封じ込め、シリーズの流れを再び五分に手繰り寄せた、魂の133球。スワローズの未来を変えた、そして己の未来をも変えた、一世一代の快投。日本シリーズの舞台でプロ初完投初完封という離れ業は、樹理のM2スーパーマン勝利、奥川のマダックスと並ぶ、スワローズ2021年3大投球のひとつでしょう。
みんなが苦しい時に光り輝く。本当に頼りになる。
しかもあの勇ましいピッチング。それでいてイケメンなんだから、最高にも程がある。
奎二、本当にありがとう。今こうして毎日ファンのみんなで日本一の喜びに浸れるのは、間違いなくお前のおかげだよ。本当にありがとう。
お前を阻むものなんてもう何もない。怪我にだけ気をつけて、これからも精進し続けてください。
もっと上を目指せる。最強の存在になろうじゃないか。
めちゃくちゃ期待してます。来年もよろしく。
number.bunshun.jp

48 金久保優斗 O型 2.74 4勝1敗 34奪三振 WHIP1.29
渋いフェイスの優男は3年目2020年シーズン終盤に一軍デビュー。好投を見せるも、不甲斐ない先輩方が平然とリードを吐き出し、勝ちが付かず。
迎えた2021年シーズンも好投を続ける。最初の試合もまた勝ち投手の権利を没収されてしまうが、その次の試合でついに待望の初勝利。その後も極めて順調に登板を重ね結果も残し続けてたのに、中日戦で京田陽太の打球が胸を直撃、そこから調子を崩してしまう。
ファームでもなかなか取り戻せず苦しむが、シーズンの最後の方に一軍復帰、ブランクを感じさせない落ち着いた投球で久方ぶりの4勝目をマーク。やはりその惚れ惚れするセンスを魅せつけてくれた。
そして一番のハイライトはCSFSG3巨人戦ですかね。不運の負傷退場を強いられた先発の原樹理に代わり緊急登板。3回2/3を1失点の好投でまとめ、チームの日本シリーズ進出に大きく貢献した、あの投球はもっともっと評価されていい。ほとんど準備も無しにいきなりあの場に放り出されて、それであれだけ放れるか普通。ほんと天才だよなコイツは。
本当ならどこかのタイミングで日本シリーズでも投げさせたかったよな。何とか1球でも投げさせたかったけど、接戦が続きすぎて無理でした。まぁまた今度だな。慌てることはない。
なんたってまだ22歳だからね。なんか落ち着いたイケメンだから歳いってると思われがちだけど、全然村上宗隆と同期で同い年だからね。
奥川恭伸、高橋奎二との若手3本柱は激アツすぎる。そこに原樹理も加えて、プロ野球史に残る4本柱を形成してくれよっていうのが、僕の直近の夢でございます。
金久保のピッチングもまた芸術的よ。奥川とも奎二とも樹理とも違う。もっと天才肌で繊細な感じ。すごくシャープに突き刺すイメージ。球は伸びるのに、力感なく脱力できていて、それがすごく余裕があってカッコ良いんだ。
そして可能性の塊でしかないバッティングは来年以降も要注目。構えを見るだけでわかる。コイツは野球の天才なんだなと。
今度ドラ1で入団する山下輝くんは金久保と同い年で、高校時代同じ千葉県大会で鎬を削った関係なんです。この時は木更津総合の山下に軍配が上がったが、金久保はホームラン打ってるんだよね。やっぱすげぇよ。
山下くん入団はお互いにプラスでしかない。かつてのライバルとネクストステージで共闘するっていう少年漫画だとクッソ燃える展開。
主人公に相応しいだけの能力とビジュアルを持っているんだ。また来年も大きく飛躍しようじゃないか。
めちゃくちゃ期待してるぞ金久保。慌てることなく精進してくれ。楽しみにしてます。

49 渡邉大樹 O型 .171 0本 3打点 5盗塁 OPS.445
今シーズンはプロ入り後最多の出場数になったはず。
安定した外野守備と水準以上の盗塁技術で力を発揮。ダイビングキャッチとかもあったし、レーザービームで9回に相手ランナーを刺すビッグプレーもあった。阪神戦での決勝タイムリーもあったよね。
打撃が伸びればスタメンも見えてくるレベルだが、身体能力はなかなかに優れているものがあるのでポテンシャルはあるかもしれない。パワーはありそうなんで、コンタクト力を一定レベルまで上げられたらワンチャンあるか。
外野にまともな守備固めがいない中、本職じゃないのにようやっとる大樹くん。感謝しかありません。来年もよろしく。

51 濱田太貴 A型 なし
昨季はプロ初ホームランが出るなど躍進の足がかりを作った期待の若手大砲は、新シーズンのオープン戦でも躍動。主要スタッツで12球団トップクラスの成績を残す充実ぶり。当時はアイドル的存在だった廣岡大志がトレードで放出されたタイミングでもあり、傷心中だったちなヤクたちの心を癒してくれた本当にありがたい大活躍であった。
しかし好事魔多しっていうことなのか、そのオープン戦の最中おそらく脇腹を痛め離脱。場所が場所だけに慎重にならざるを得ず、結局プロ入り3年目にして初の1軍出場なしという悔しすぎるシーズンアウトとなった。
チームとしては外野の3枠は青木、塩見、ミンゴという不動の形が出来上がっていたため濱田の不在をさほど感じるような展開にはならなかったものの、本人としては勿体なさ過ぎる痛恨の負傷離脱。相当悔しかったと思う。
シーズン終盤にはイースタンでちょっとずつ復帰、フェニックスリーグも含めて変わらず打ちまくっている様子を見ると、まぁ相変わらず打撃は素晴らしいなぁと嬉しくなります。
打球の角度の付け方とコンタクト力は高卒3年目にしてかなりのもの。守備は上手くはないけど絶望的なレベルでもない。
将来的にはライト丈でレフト濱田っていうのが完成形かな。
とりあえず万全の体調に戻してからもう一度勝負やな。貴重な右の大砲なんだ。期待してます。

52 近藤弘樹 B型 0.96 0勝1敗 11H 17奪三振 WHIP0.91
パリーグの戦力外からスワローズの一員になるという所謂パリコレ枠の一人。育成契約でスタートも明らかにモノが違いすぎるため即座に支配下登録。オープン戦で説得力ある投球を続けてると、迎えたシーズンでも快調なピッチングを連発。150キロをも超える高速シュートを武器にピンチを切り抜けまくってくれたが、その便利さゆえに登板が序盤から嵩んでしまう。ちなヤクたちの不安は的中し、交流戦で悪夢の負傷離脱。のちに肩の肉離れと明かされたが、まぁメスを入れるほどではなかったのは不幸中の幸いか。結局このまま帰っては来れなかったけど、シーズン序盤のチームを救ってくれた、見事な投球でした。
これほどの実力者を拾ってこられるなんてラッキーにも程がある。でも元々は楽天のドラ1なんだ。清宮幸太郎を外し、村上宗隆を外した後の外れ外れドラ1。ヤクルトにとっては山田哲人や清水昇などのサンプルがあって縁起がいい外れ外れドラ1。ありがたい。
しっかりコンディション整えて、また来年勝負だね。期待してます。

53 長谷川宙輝 O型 10.80 1勝0敗 0S 0H 3奪三振 WHIP2.10
好不調の波は激しかったけど初の一軍をフルに駆け抜けたのが昨シーズン。オフには憧れの五十嵐亮太パイセンの背番号53を受け継ぎ、強い気持ちで臨んだ新シーズン。開幕4試合目で初めてチーム白星がついた試合の勝ち投手となるっていう最高のスタートを切れたものの、状態は上がらず4月半ばに登録抹消、ファームで調整を続けるも7月の登板以降音沙汰なし。何があったんだよと不安が募る中、どうやら血行障害で手術を受けてたらしい。そうか大変やったな。お疲れさん。
強いボールでゾーン内だけで勝負できるタイプのレフティー。まだまだ23歳なんだし、慌てずじっくり取り組んでほしい。
将来的にはスターターでも行けるだろうし、まずはコンディションをしっかり整えてください。
とにかく慌てなくていいからね。期待してます。

54 サイ スニード 不明 3.41 6勝2敗 69奪三振 WHIP1.21
来日が遅れていた謎の髭男。ガチメジャーリーガーズのサンタナ&オスナの野手コンビや元ホークスのバンデンハークと比べてファンの期待値はあまり高くなかったが、その低い予想を見事に裏切ってくれる素晴らしい投球を披露。ストレートのクオリティがとにかく凄い。ノビがえげつなくて、ガンガン見逃し三振を奪って行くのが爽快すぎます。
怪我とか色々あったりしてポストシーズンを前にさっさと帰国してしまいましたが、優勝に大きく貢献。契約も延長され、来年こそはフルシーズンの大暴れに期待大ですな。
人間的にも可愛げのあるヤツで、「センダイ、チョットアツイ。トダ、メッチャアツイ」っていう名言を残したり、世界一美味しい穴場ドーナツ店を日本で見つけたりと、スワローズらしいネタ外国人要素も完備。
tsubamesoku.blog.jp
確かな実力を備えた面白外国人助っ人というパーフェクトヒューマン。来年もよろしく。

55 村上宗隆 O型 .278 39本 112打点 12盗塁 OPS.974
ここまで長々と書きまくってきましたが、ここで村上の番がやって来て、さあどうする。この男について何から書けばいいんだろう。
野球選手としての素晴らしさは今更ここで言うまでもない。今年はついにホームラン王にも輝いて、ひとつ目標達成できたね。おめでとう。
やっぱり村上宗隆を考えたときに一番に感じさせられるのが、そのあまりにも大きい人間力
誰かを勇気付けたり励ましたり、正しい道へと導いたり。
それを実現する彼ならではの飾らずに真っ直ぐ胸を打つ言葉であったり、迷いなく堂々と真摯に振る舞う姿であったり。
僕も36年間生きて来て、様々な人々と出会って来た。いろんな土地でいろいろな場面で様々な人と出会ったけど。
こんな人、見たことないよ。
人間として美しいんだ。
器が大きいだけじゃない。気が利くだけじゃない。優しいだけじゃない。
人としてあまりにも温かい。誰よりも心が綺麗で、人のために命かけて頑張れる。
まだ21歳の若者なんだぞ。社会に出て不安なこともあるだろう。嫌なことも苦手なこともあるだろうに。
受け入れる強さ。悟り、覚悟を決め、全力を尽くす。みんなのために、自分のために。
なんて凄いんだ。オレが21歳の時なんて、自分のことすら自分で幸せにできないような、無力なクソガキだったのに。凄すぎるよ。
自ら責任を背負う。その責任の重さを原動力として己を突き動かす。そして皆を喜ぶことに幸せを感じ、全身全霊戦い続ける。
僕はいつもファンとしてムネに対して申し訳ない気持ちだった。「そんなに背負わせて申し訳ない」とか、「そんなに気負うことはないんだよ」とか、そんなことばかり思ってた。
でもそんなんじゃないんだ。
「背負わされてる」ではない。「自分が背負うんだ」という、不退転の覚悟。当然のこととして真正面から向き合う。そしてごくごくナチュラルでフラットな精神状態でそのまま両肩に背負う。それが村上宗隆というひとりの人間なんだと。
日本一、そしてオリンピック金メダル。でもそんなことすらどうでもいい。
もうホームランが何本とか、最年少記録がどうとか、心底ちっぽけな話でしかない。
ただただ美しい。人として、美しい。
ムネ、本当に本当にありがとう。僕はいつか絶対あなたに直接お礼の言葉を言いたいって思ってる。スワローズファンとしてだけじゃない、人間として僕はあなたに幸せをいただいた。言葉じゃあ言い表せないほどの感謝でいっぱいです。
ありがとう。怪我だけしないようにね。あなたと出会えて、本当に良かった。
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56 鈴木裕太 AB型 なし
新潟の剛腕は地道にファームで修行中。今年はイースタン防御率3.09とまぁぼちぼちではあったけど、イニングの割に奪三振が少ないのが気になるかな。150キロを超える直球がありながら奪三振率が5.01なのは、どうなんかなぁ。K/BBも1.00ということで、まだまだ物足りないんだろうと。
まだ高卒3年目だから慌てることはないんだけど、ドラフト6位なんだよな。市川は3位だし明徳義塾だから猶予がたくさんありそうだけど、もしかしたらドラ6の鈴木にはそんなに猶予はないかもしれない。今後2年3年のうちに一軍昇格はもちろんのこと、定着とは言わんまでも、一瞬でも活躍する瞬間が必要だろうな。
慌てなくてもいいけど、ゆったりはしてられない。頑張れよ。素質はあるんだから。期待してる。

57 古賀優大 B型 .224 0本 7打点 OPS.498
ここ数年は一軍の控えキャッチャーとして確かな活躍を続けていて、細かい気遣いが行き届いたリードが素晴らしいのよね。印象深いところだと、一昨年に16連敗をストップした時に樹理とのバッテリーを組んだのが古賀。あの試合も素晴らしかった。あと昨年はライアンとのコンビが良かったんだよ。
今季は金久保とのコンビからスタート。なかなかの安定感を見せると、その後は奥川や高橋奎二っていう若手Pと組んだり、スアレスと組んだりと出番が増えまくり。途中から小川とのコンビも復活して、わりとかなり出た。中村悠平の休養にもなったし、傾向の違うリードで相手打者を翻弄できたのはいい感じだったね。
シーズン終盤の巨人戦で岡本和真を相手に裏をかいたのか気が狂ったのか強気が過ぎたのかインコースオンリーで2球で追い込んでそのまま3球勝負のアウトローストレートでPゴロに仕留めたあの配球は凄まじかったね。あの試合は古賀の今シーズンのベストゲームでしょ。
流石にCSも日本シリーズも出番は貰えなかったけど、今年は大きな経験になったはず。
インサイドワークが本当に素晴らしい。駆け引きが上手いんだと思う。相手が見えてるし、こちらの持ち味も存分に活かせる感じ。
課題はひたすらに打撃で、まぁ年々ちょっとずつは成長している。昨年は1割切ってたからね、それを思えば見れる数字にはなってるけど。ただ中村悠平との比較だとバッティングでだいぶ見劣りしてしまうのよね。
イースタンでは打てるんだから、コンタクトに問題があるわけじゃないんだ。
だからきっかけひとつあればっていうところなのかもしれない。何か掴めれば、それこそムーチョなみに2割7分台を残すことは全然できると思う。
そこさえクリアできれば、もう正捕手とか楽勝で掴めると思う。盗塁阻止もいいしね。
あーあとブロッキングか。でもこれは経験値でしかないと思うから、時が解決してくれる。
2軍に内山壮真がいるからって焦らなくていいぞ古賀。お前の素晴らしさはファンもみんな理解している。今年の日本一に大きく貢献してくれたと思ってるよ。
すげー期待してるからな。頑張れよ。

58 長岡秀樹 A型 .000 0本 0打点 OPS.100
昨年は入団して間もなくファームで二遊間のコンビを組んで好プレーを連発、冴えない一軍に代わって躍動感あふれる試合を展開しまくり、当時落ち込んでばかりのちなヤクみんなを癒し続けてくれたのが、長岡と武岡の長武コンビ。ドラフト5位と6位でありながら、攻守にハツラツとした動きでたくさんのポジと笑顔を届けてくれた可愛い可愛い少年たち。シーズン終盤には二人セットでご褒美昇格を果たし、二人して神宮の二遊間を守ったのは微笑ましくも胸熱なトピックでした。同期の奥川のプロ初登板をベンチで見守ってたのも心底胸熱だったよね。
片割れの長岡は今シーズンも順調。特にシーズン中盤くらいから謎に長打力がアップして最終的にホームラン7本。持ち前の巧みなバットコントロールはそのままに、全体的なスケールアップに成功しているみたいだ。
その結果を受けシーズン最終盤に一軍昇格。ちょろっとスタメンにも入ったりして起爆剤として期待されたが、あの優勝争いの超絶佳境の中で何かを残すのは流石に酷だったか。でもあの場にいられたこと、あの空気感を肌で感じられたことは大きな財産になると信じてる。
見た目よりは足は速いわけじゃなさそうなのよね。プレイヤーとしての完成形は左の土橋勝征といったところか。三振率.119と非常に優秀、バントも上手い、流し打ちも巧み、失策も少ない。
田中賢介とか理想像だけど、あの人結構足速いんだよね。無理か。
現状の課題は出塁率かな。.290はちょっと物足りないかも。もうちょっと選球眼を鍛えるべきなんだけど、実はフォアボールが少ないフリースインガーなのか。82試合で四球12は少ないもんね。
とりあえずは順調そのもの。まぁ奥川の姿を見て焦ったりもするかもしれんけど、やっぱ野手は大変だからね慌てなくていいよ。
ショートなのかセカンドなのかはまだ決まってないけど、どっちも対応できるようにね。哲人も将来的にはファーストに行くと思うから、そこのタイミングで入れるように鍛えておいてくれ。
引き続き死ぬほど期待してます。怪我しないように気をつけて。頑張ってね。

60 武岡龍世 O型 .250 0本 0打点 OPS.500
長武の片割れ。安定していた長岡とは対照的に、武岡はちょっと浮き沈みのあるシーズンでした。
開幕してすぐの頃、コロナ禍で人手が足りなかったタイミングで一軍昇格。思い切ってスタメン抜擢された巨人戦で、しかも相手が菅野智之という中でヒットを放つという、やはり大舞台に強い男。ルーキーイヤーのプロ初打席初ヒットも菅野相手だったし、その後も1本出てたりと、プロ2年で通算4安打のうちの3本を菅野から打っているという凄まじさ。こんな偏り、あるか普通。
しかし出番はこの1試合のみで、再びファーム戻り。チャンスを伺うも、ここから突発的に不調に襲われてしまう。
思い切りの良かった打棒は湿り、昨年にはなかった守備での凡ミスを連発。何でもないポロリとか、前までにはないレベルのエラーも出てきて、ちょっと壁にぶつかってる感じではあった。失策は12。
ただ終盤には復調し、最終的にアベレージは.263まで向上。出塁率.327もまぁまぁ優秀、打点35もなかなかのレベルだと言えるかな。
武岡は長岡とタイプが違ってアスリート寄りなんだよね。フィジカルエリートなのはいいけど、もしかしたら柔軟性がまだ欠けてるのかもしれない。入団以降ショート武岡セカンド長岡が基本形だけど、育成のために逆も定期的にやってたりする。でもセカンド武岡はスムースさに欠けるらしくて、適正外っぽいのよね。捻り切れないらしい。
チームとしては当然ショートストップに収まってくれたら万々歳なんだけど、もしそれが難しそうってなった時に、たぶん武岡は外野に行くことになりそう。これは渡邉大樹と同じパターンだね。
プレイヤーとしての完成形はどうだろう、川崎宗則とかが近いんかなと一瞬思ったけど、でもあそこまで足速くなさそうなんだよな、華がある感じは似てるけど。
パワーもスピードも水準以上ある万能型のショートストップって誰だろう。それこそ首位打者になる前の坂本勇人か。2012年の最多安打の頃の坂本とかいいね。そうだな元々お前そうだったやんけ。目指せよ高校の偉大すぎる先輩を。近づいてくれ。左の勇人になってくれ。哲人も喜ぶぞ。ムネも喜ぶぞ。
とりあえずメンタル。ぶれないメンタルを身につけること。そこさえ揺るがなければハイパフォーマンスは約束されてると思う。
最初あんな散々だったのに結局こうやって最後には普通に見れる数字まで持ってこれるんだから、そこはすごくポジティブに思ってるよ。
武岡の場合はあんまり細かく意識せずに、とりあえずダイナミックにスケール大きくプレーし続けてほしい。実戦で数をこなすことで洗練されていくタイプだと思ってる。
ホント長武はスワローズの宝よ。いつかお前らが神宮の二遊間で奥川の後ろを守る日が来ることを夢見てます。
とにかく怪我には気をつけて。来年もめっちゃ期待してます。頑張れ。

63 中尾輝 B型 なし
2018年の交流戦優勝&セントラルリーグ2位に大きく貢献したサウスポーも、それ以降は結果を出せず。やはり当時の酷使が祟ったのか勿体無いよなぁ。個人的に思い入れのある選手だったんで復活を祈ってたんだけど、無念です。
球威とコントロールが少しでも戻れば三振も取れる左腕ということで需要あると思うんですよね、地元の中日とかどうですかね。

64 大下佑馬 O型 3.72 1勝0敗 1H 32奪三振 WHIP1.09
右投げ左打ちらしい。意外といけるクチなのか。
キャラ立ちしまくってて濃いラインナップの2017年ドラフト組の中でも地味な存在だが、入団以降コンスタントに与えられたタスクはきっちりこなしてくれる有り難い投手。主な出番は相手に先制を許したり逆転を許してこちらの先発や勝ちパターンがマウンドを降りた後。ビハインドになった瞬間に登場して傷口を最小限に留めることで、そこからの反撃の可能性を残すという、地味ながらも大切な役割。ビハインド専ということで軽視されがちだけど、この役割のピッチャーが締まりがないと相手のリードがどんどん広がって勝敗が決してしまうからね。昔のヤクルトで言うと花田とか松井光介がこれのスペシャリストでした。
今年の1勝は10月の巨人戦でしょ。今野が打たれて勝ち越しを許した後に登板、ランナーが残っててピンチ続く中できっちりと後続を切り、直後に哲人のタイムリーとオスナの3ランが出て逆転したあの試合だよね。
結局は適材適所ってことよ。大下も接戦の勝ちパターンで使うと全然ダメなんだけど、それ以外だったらサクサクなんだから。
負け試合で終わったとしても他の投手の消耗を抑えてくれるわけで。必要不可欠だと思いますね。
いつもありがとう大下。来年もよろしく。

65 松本友 O型 .353 0本 2打点 1盗塁 OPS.934
育成契約から這い上がって支配下登録を勝ち獲り、ファームで結果を残し続けてついに1軍昇格を掴み取った叩き上げの苦労人。開幕すぐのコロナ禍スワローズにてスタメンのチャンスを得ると、しぶとい打撃でチームに貢献。その後離脱組や来日組の合流もありつつ代打や代走で役割を果たし続けるけど、確か久しぶりにスタメンのタイミングで痛恨の負傷。ハムストリングをやったんだったっけか、ちょっと覚えてませんが。その後ファーム落ちも結果残せず再昇格できずという、悔しいフィニッシュとなった。
残した成績を見ると素晴らしいんだよね。三振も少ないし出塁率も高いし、足もまぁまぁ速いっていうことで攻撃的な控えとしてレベル高い。ぜひコンディションを整えてまた来年勝負して欲しいね。出番は多々あると思うから。

66 吉田大成 B型 .225 1本 2打点 2盗塁 OPS.717
大卒社会人経由の3年目ということで、年齢的にもドラフト順位的にも今年は正念場の一年だったはず。
夏に昇格するとこのワンチャンスを逃さなかった。ヒットを連発してバットでチームに貢献し、そのまましばらくスタメン継続。
ただ本職ではないショートでエラーが目立ってきたタイミングでスタメン落ち、その後は西浦の復帰もあって出番無し。
ちなヤクたちには奉納試合での華麗なセカンド守備で慎吾を併殺に切ったシーンが鮮明に残ってると思うけど、ドラフト時の守備安定の打撃イマイチ評価だったはずが、いざ入団してみると打撃は意外と悪くないけど守備は怪しさ満点という、ヤクルトおなじみの系譜。こんなヤツらばっかじゃねぇか。
左打ちのショートということで、この枠は競合しまくってるからね。元山とモロ被りだし、それこそ長武あたりとも競う必要がある。
成績見るとフォアボールが多くて、選べるタイプなら面白いんだけど、これはただ8番に入って敬遠をもらっただけなのかもしれない。
まぁ基本は元山と長武優先でお願いします。

67 嘉手苅浩太 A型 なし
とりあえず1年目は身体作りからね。
190cmを超えるロマン枠がA型でどうするっていう偏見もありつつ。
さてどうなる。

68 宮台康平 O型 なし
東大野球部史上最強のエースとして六大学野球で一時代を築いた本格派サウスポーが、今シーズンついに神宮に凱旋復帰。慣れ親しんだマウンドでの大暴れを期待してましたが。
残念ながらタイミングがなかった。イースタンで結果を残して昇格するものの、ちょうどいいタイミングでのお試しポイントがなくてね、そのままシーズン終了。勿体無かったね。
実力は間違いないので、必ず来年はチャンスがある。そこで真価を発揮してくれたら。
期待してます。

69 今野龍太 AB型 2.76 7勝1敗 28H 63奪三振 WHIP1.29
楽天を戦力外からパリコレ加入した昨季は開幕戦でやらかすものの、シーズン終盤は何かを掴んだのか良い感じだった印象がある。
その好調をキープしたまま新シーズンに突入。最初はビハインド要員として起用されるも明らかに球質が良すぎて、役割のわりにオーバースペックな雰囲気すらあった。ビハインドであんなに低めにエグく伸びるストレート投げるヤツ使うかよっていう。シーズン中盤から勝ちパターンに昇格。清水ーマクガフに繋ぐ7回を担当し、大きな安定をもたらしてくれた。
優勝争いの最終盤には流石に疲労が目立ち失点を重ねてしまい、CSや日本シリーズでは勝ちパターンから外れましたけど。
7勝、奪三振率9.15は本当にお見事。間違いなく優勝の立役者の一人です。ホント良くやったよ、お見事でした。ありがとう。
しっかりリフレッシュして、またたくさん貢献してください。期待してます。

71 ケリン ホセ 不明 なし
8月31日、いきなり飛び込んで来た新外国人獲得の報。えっ。ちなヤクたちもポカーン。
優勝争いの最終盤での切り札になってくれたらっていうことらしい。
ちょっとでもブルペンが分厚くなればということで、今年に懸けるフロントの熱い思いが伝わって来て嬉しかったけどさ。
今から来日しても隔離期間があって、そこから練習して感覚を取り戻して、その後に合流って間に合うんかよと。いけんのかよっていう。
その後9月はチームも絶好調。優勝に向けてスパートをかけていく中、ケリンのこととかすっかり忘れてしまう。誰も彼に言及しないし、彼の存在を欲したりせず。
来日は9月26日。ってかおっそ。ここから2週間でしょ。いつになるんだよ。
次に彼の名前を聞いたのが、「コロナ陽性反応」というニュース。何しとんねんまったく。
最後に彼の名前を聞いたのが、「自由契約&既に帰国」というニュース。一体何だったんだ...
でもまぁいいよ。全てのことが積み重なって日本一という形で結実したんだ。全てに感謝してる。
ありがとう。遠いところから幸福を祈っております。




ということで選手の皆さんお疲れさまでした。
首脳陣の皆さんもお疲れさまでした。
ちなヤクの皆さんもお疲れさまでした。
しばらくは幸福な余韻に浸ってニヤニヤ毎日を過ごしましょう。
また来年もよろしく。